電気二重層キャパシタは、リチウムイオン電池と比べて蓄電容量は少ないものの、充放電時の出力密度が大きく、サイクル寿命も長い。これらの特徴を生かすことにより、自動車への採用事例が増えつつある。
日本ケミコンは、第3世代の電気二重層キャパシタ「DXEシリーズ」を発表した。従来品と比べて、内部抵抗を半分以下に低減するとともに、使用温度範囲を高温側に広げた。2012年中に量産を開始する予定。主な用途は自動車のエネルギー回生システムを想定している。展示した直径40mm×長さ150mmの品種は、内部抵抗が従来比の1/3となる0.8mΩ、使用温度範囲が高温側に10℃広がって−25〜70℃となっている。容量は、従来品の400Fと比べて若干少なくなっている。
また、マツダのエネルギー回生システム「i-ELOOP」に採用された電気二重層キャパシタも展示していた。同システム向けの品種は、DXEシリーズではなくマツダの仕様に合わせて開発した特注品である。
パナソニックは、電気二重層キャパシタを用いた「バッテリーバックアップ用電源ユニット」を披露した。車載バッテリの電圧低下時のバックアップ、緊急時のドアロック解除、欧州の緊急時位置情報システム「e-call」といった用途の電源として利用できる。長寿命の電気二重層キャパシタを用いているので、15年間メンテナンスが不要なことも特徴となっている。2014年4月に量産を開始する計画だが、「顧客からは前倒しを要望されている」(同社)という。
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