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太銅線コイルの採用で直流抵抗を20%低減した車載用パワーチョークコイルパナソニック PCC-M1050ML/PCC-M1060ML

パナソニックの車載用パワーチョークコイル「PCC-M1050ML/PCC-M1060MLシリーズ」は、太い銅線を用いたコイルとメタルコンポジットコアの一体型構造により直流抵抗を低減している。

» 2012年03月12日 14時01分 公開
[EDN Japan]

 パナソニック デバイス社は2012年3月、車載用パワーチョークコイルの新製品「PCC-M1050ML/PCC-M1060MLシリーズ」を発表した。同社が独自に開発した、太い銅線を用いたコイルとメタルコンポジットコアの一体型構造により、「業界トップレベルの低直流抵抗を実現した」(同社)と主張する。主な用途は、電動パワーステアリング、電子制御ブレーキシステム、アイドリングストップシステムなどのアクチュエータを駆動する電源回路である。サンプル価格は500円。2012年3月から、500万個/月の規模で量産を開始する。


 PCC-M1050ML/PCC-M1060MLシリーズは、銅線のコイルと、金属磁性粉末を樹脂で絶縁して圧縮成型するメタルコンポジットコアを一体化して製造するタイプのパワーチョークコイルである。従来品と比べて、太い銅線を用いたことと、コア内の銅線の容量を最大化できる独自工法を採用することにより銅線の線積率を向上した。これにより、PCC-M1060MLのインダクタンスが2.5μH(100kHzにおいて)の品種の場合で、直流抵抗は、従来品比で約20%低い4.5mΩ(20℃での定格値)となっている。一方で、定格電流については同約10%増の16.5Aを実現した。

 また、耐熱性と耐振動性も向上している。耐熱性は、150℃の環境下で2000時間動作することを確認している。耐振動性については、5Hz〜2kHzの周波数範囲で30Gの加速度の振動を加えても耐えられるという。この高い耐振動性は、従来品よりも幅が広い端子構造の採用によって実現した。

製品断面の比較端子構造の比較 左の図は、「PCC-M1050ML/PCC-M1060MLシリーズ」と従来品の製品断面を比較している。右の図は、端子構造の比較である。

 PCC-M1050ML/PCC-M1060MLシリーズは、それぞれ3品種を用意している。PCC-M1050MLの3品種のインダクタンス(100kHz)/直流抵抗(20℃での定格値)/定格電流は、0.68μH/1.7mΩ/26.5A、1.0μH/2.5mΩ/26.5A、1.5μH/3.2mΩ/19.3A。PCC-M1060MLの先に述べた以外の2品種は、3.3μH/6.0mΩ/14.3A、4.7μH/8.2mΩ/12.3A。インダクタンスと直流抵抗の誤差は、それぞれ±20%と±10%である。外形寸法は、PCC-M1050MLが10.9×10.0×5.0mmで、PCC-M1060MLが10.9×10.0×6.0mmとなっている。

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