IQxelは、無線LANの次世代規格「IEEE 802.11ac」にいち早く対応したワンボックス型の試験装置である。複数台を接続することで最大8×8のMIMO構成で試験が可能だ。同規格の帯域幅のオプションである80MHzと160MHzの両方に対応する。
無線LAN機器の量産ライン向け試験装置を手掛ける米国のLitePoint(ライトポイント)は、次世代の高速無線LAN規格である「IEEE 802.11ac」の物理層のテストに対応した新型機「IQxel(アイキューエクセル)」を開発し、2012年5月に日本国内で出荷を開始した。「IEEE 802.11acに対応したワンボックス型の試験装置は、IQxelが業界初だ」(日本法人のライトポイント・ジャパンで代表取締役を務める佐藤隆氏)という。同規格に対応する機器や無線通信チップの量産試験に使える。価格は400万円台である。
試験対象物が出力する高周波信号の周波数特性や変調精度(EVM)、コンスタレーション(変調シンボルの遷移をグラフ表示したもの)を測定する機能を備えた、ワンボックス型の試験装置である。制御用PCを外付けして使い、測定結果もそのPC上で確認する。
IEEE 802.11acが帯域幅のオプションとして定める80MHzと160MHzの両方に対応可能だ。ただし現時点で出荷するのは80MHz対応版で、160MHz対応版については2012年第3四半期(7〜9月)に出荷を始める予定である。
IEEE 802.11acの他、無線LANの既存規格であるIEEE 802.11 a/b/g/nにも対応した。SISO(Single Input Single Output)とMIMO(Multiple Input Multiple Output)のいずれにも構成することが可能だ。MIMO構成では、複数のIQxelを接続することで、最大で8×8まで拡張できる。また、この試験装置単体で、無線LAN規格に加えてBluetooth 1.0/2.0/3.0/4.0の試験にも対応することが可能である。
試験装置としての基本的な特性は以下の通り。入力周波数範囲は2150〜2720MHz、3300〜3800MHz、4900〜6000MHz。最大入力電力はピーク値が+30dBm、平均値が+25dBm。出力電力範囲は−95〜+10dBm(連続波(CW)出力時)。出力電力の確度は±0.50dB(−95〜0dBmの範囲において)。
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