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無線基地局向けアンプ製品群、「低雑音、高線形性」を訴求アバゴ MGA-43x28シリーズ(1/2 ページ)

アバゴ・テクノロジーは、マクロセルや、ピコセル/フェムトセルといった無線基地局を対象にしたアンプ製品群を発表した。いずれも、高い高周波特性を実現したことが特徴だ。

» 2012年06月20日 09時00分 公開
[前川慎光,EDN Japan]

 アバゴ・テクノロジーは2012年6月、比較的広いエリアをカバーするマクロセル基地局や、ピコセル/フェムトセルといった小型の無線基地局(スモールセル)を対象にした高周波部品を発表した。小型基地局向けの「MGA-43x28シリーズ」は、高線形性と高利得を兼ね備えた最終段パワーアンプ。マクロセル基地局向けの「MGA-16x16シリーズ」は、業界で最も低い雑音指数を実現した低雑音アンプ(LNA)である。

 いずれも「低雑音、高線形性」という同社の高周波部品の特徴を継承しつつ、それぞれの用途に合った性能や機能を実現している。GaAs材料を使った独自のエンハンスモードpHEMT(高電子移動度トランジスタ)プロセスを採用したことで優れた高周波特性を得たという。

市場立ちあがる「スモールセル」に照準

 ここ数年、比較的広い範囲をカバーするマクロセル基地局と組み合わせ、スポット的に通信範囲をカバーするピコセルやフェムトセルの導入が進んでいる(関連記事“小さな基地局”、携帯インフラで大きな存在へ)。「マクロセル基地局を使った『面』でのエリアカバーがひと段落した第3世代携帯通信では今まさに小型基地局の設置が進んでいる。さらに今後、全世界で導入が始まったLTE通信がけん引要因となり、小型基地局の導入が加速するだろう」(同社)という。

図 小型基地局向けパワーアンプの位置付け 携帯電話機やスマートフォン向けパワーアンプの実績と携帯基地局向け低雑音アンプ(LNA)の実績を売りに、小型基地局向けパワーアンプの領域を攻める。

 MGA-43x28シリーズには、「MGA-43428」、「MGA-43528」、「MGA-43628」の3品種があり、それぞれ異なる周波数帯域に対応している。アバゴ・テクノロジーは小型基地局を注力市場の1つに位置付け、2012年に入って小型基地局の最終段パワーアンプにターゲットを合わせた品種を製品化した。今回発表した3品種は、小型基地局の最終段パワーアンプ向けの第2弾である。これまでは米国、中国、欧州の周波数帯域に対応した品種だったが、今回は米国に加えて日本の周波数帯域に対応した品種を投入した。

 MGA-43x28シリーズは3ステージ構成のアンプ回路を集積しており、出力電力は0.5W。電源電圧が5Vの条件で、出力電力が27.3dBmのときの隣接チャネル漏えい電力比(ACLR)が−50dBcと高い線形性を実現した。利得は34〜40dB、電力付与効率(PAE)は13.8〜15%である。パッケージが5mm角と小さいことも特徴で、「競合他社品に比べて50%と小さい」(同社)という。既にサンプル出荷を開始しており、2012年9月に量産を始める予定である。

小型基地局向けパワーアンプ「MGA-43x28シリーズ」の概要と仕様

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