無線基地局向けアンプ製品群、「低雑音、高線形性」を訴求:アバゴ MGA-43x28シリーズ(2/2 ページ)
一方のMGA-16x16シリーズは、前述の通り、マクロセル基地局などを対象にしたLNAである。2つのLNAを集積したバランス型を採用しており、高い入力電力まで高い線形性が保てることや、前段のフィルタ回路とLNAの整合をとりやすいという特徴がある。雑音指数は0.27dBと小さく、入力第3次インターセプト・ポイント(IIP3)は19.1dBと、高い線形性を実現した(いずれも900MHzにおける値)。LNA保護用のシャットダウン機能も搭載した。
MGA-16x16シリーズには対応する周波数帯が異なる3品種がある。既にサンプル出荷を開始しており、2012年8月に量産を始める予定である。
マクロセル向け低雑音アンプ「MGA-16x16シリーズ」の概要と仕様
この他、モバイル端末に向けたGPS/GLONASS通信用のLNAモジュール「AGPS-F001」を発表した。LNAとFBARフィルタを1つのパッケージに封止した品種である。同社はこれまでも同様のLNAモジュールを製品化していたが、今回高周波特性を高めつつ、小型化を進めた。新たに、ロシアの位置測位システムであるGLONASSに対応したことも特徴である。既にサンプル出荷および量産を開始している。
GPS/GLONASS通信用のLNAモジュール「AGPS-F001」の仕様
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