実装面積が0.8×0.6mmのいわゆる0806サイズで、高さが0.36mmと小さいトランジスタ用パッケージである。第1弾としてMOSFETを製品化した。既に量産出荷中だという。今後、バイポーラトランジスタやデジタルトランジスタもとりそろえる予定である。
ロームは2012年9月、実装面積が0.8×0.6mmのいわゆる0806サイズで、高さが0.36mmと小さいトランジスタ用パッケージ「VML0806」の量産を開始したと発表した。同社によると、従来の最小品は実装面積が1.2×1.2mmのいわゆる1212サイズで、高さは0.50mmだったという。新型パッケージはこれに比べて実装面積を約67%削減するとともに、28%の低背化を達成した。トランジスタ用パッケージとしては「世界最小だ」(同社)と主張する。
同社はこの小型パッケージを、スマートフォンやデジタルカメラなど、小型・薄型化が求められる電子機器向けのトランジスタに展開していく方針だ。まず小信号MOSFETに適用し、nチャネル品とpチャネル品の2つを製品化しており、既に2012年7月から月産6000万個規模で量産中だという。サンプル供給にも応じる。
nチャネルMOSFETの「RV1C002UN」は、耐圧(VDSS)が20V、ドレイン電流(ID)が150mA、許容損失(PD)が100mW。pチャネルMOSFETの「RV1C001ZP」は、同20V、100mA、100mWである。両品種ともに、オン抵抗(RDS(ON))については小型パッケージ封止ながらも2.6Ωに抑えた。
なお同社は、この0806パッケージ封止品の第2弾として、バイポーラトランジスタのpnp型品とnpn型品も開発中である。さらに、抵抗内蔵のバイポーラトランジスタ(いわゆるデジタルトランジスタ)にもこのパッケージを適用する予定だという。
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