マイコンが実行する命令はROMなどのメモリの中に0/1のパターンで格納されています。しかし、0/1のパターンではユーザーが何の命令なのか分かり難く、不便です。そこで、0/1のパターンに言葉を定義して、ユーザーはその言葉を使ってプログラムを作ります。その言葉を“プログラム言語”と呼んでいます。言い換えると、ユーザーはプログラム言語をマスターしていないと、マイコンのプログラムを作れないことになります。プログラム言語にはいくつか種類があります。今回は、それらを説明します。
連載第3回の“マイコンの中枢「CPU」とは”で説明したように、CPUが演算する命令はROMから0/1のパターンで読み出されます。ユーザーは、最終的にこの0/1のパターンを作るのですが、0/1のパターンでは、どのパターンがどんな命令かを即座に判断するのは至難の業です。そこで、この0/1のパターンと1対1に対応する名前を付けて、その名前を使ってプログラムを作ります。この0/1のパターンで構成された命令をマシン(機械)語と呼び、マシン語につけた名前をアセンブリ言語(ニーモニック)と呼びます。例えば、「第3回マイコンの中枢「CPU」とは」では、[0000 0001]を足し算と決めましたので、このパターンに「ADD」という名前をつけます。この時、[0000 0001]がマシン語でADDがアセンブリ言語になります。
マシン語とアセンブリ言語は、マイコンの設計者が決めます。従って、マイコン毎に異なっており、ユーザーは自分が使おうとしているマイコンのアセンブリ言語を勉強しなくてはなりません。そして、マイコンが変更になるたびに、それぞれのマイコンのアセンブリ言語を勉強しなければなりません。
これはユーザーにとって大変な手間です。そこで、マイコンが変わっても共通で使える言語は何かないか? ということになり、その結果、コンピュータで使われている高級言語(FORTRANやBASICなど)の中で、C言語がマイコンにも適用されるようになりました。
C言語は、その記述形態がマイコンの言語に適しているということで使われ始め、今ではPCや、マイコン、大型コンピュータの広範囲で使われるようになっています。
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