ほぼ全てのエンジニアに関わりのあるプリント基板(PCB)の設計。にもかかわらず、PCBの設計は学校で教わることは少ない。ただ、PCB設計の初心者でも、「目的以上のものを作れる」という自信を持っていれば、高品質のPCBを作ることができます。「ドキュメンテーション」「設計順序と進め方」「最終チェック」にさえ気を付ければよいのです。
ほぼ全ての電子製品は複数枚以上のプリント基板(PCB)が使われています。PCBには、ICなどの部品が実装され、それら部品が相互に接続されています。PCBは、ポータブル電子機器、コンピュータ、エンターテインメント機器で大量に使われ、試験装置、製造装置、宇宙船でも使用されています。
結局、ほぼ全てのエンジニアはPCBを設計しなければなりませんが、PCBの設計は学校で教わることではありません。それでも、エンジニア、技術者、さらにはPCB設計の初心者でも、「目的以上のものを作れる」という自信を持っていれば、高品質のPCBを作ることができます。また、設計要件を満たしながらスケジュール通りに予算の範囲内で設計を完成させることができます。設計者は、「ドキュメンテーション」「設計順序と進め方」「最終チェック」にさえ気を付ければよいのです。
PCB設計とは、PCBへの要件を把握することから始まり、基板が最終的に完成するまでを指します(図1)。
PCBが“なぜ必要か”を把握した後は、PCBの最終コンセプトを決めます。コンセプトには、デザインの特徴、PCBに必要となる要件、他の回路との相互接続、部品配置、完成品の大まかな寸法などが含まれます。
動作環境における温度範囲や、懸念事項を考慮し、PCBの材料を選択します。部品とPCBの材料は、完成品として目指す耐用年数の間、過酷な状況でも動作を保証できるよう選択しなければなりません。
コンセプトに従って回路図を作成します。回路図とは、PCBに各機能を実装するために示された詳細な図です。回路図を作成することにより、各ブロック(近接して配置されるべき部品のグループ)で必要となる面積が分かるため、PCBの寸法図面が完成します。
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