東京コスモス電機は、USBスティック状の無線モジュール「ToCoStick」を発売した。2.4GHz帯に対応し、通信距離は見通しで500m。USB端子を備えていることで、PCやスマートフォン、タブレット端末に簡単に接続できるので、センサーデータをPCに集録するなど、モノのインターネット(IoT)に必要なシステムを容易に構築することが可能だ。
東京コスモス電機は2013年12月12日、USBスティック状の無線モジュール「ToCoStick」を発売した。2.4GHz帯のIEEE 802.15.4/ZigBeeに準拠する同社の超小型無線モジュール「TWE-Lite」シリーズの新製品である(関連記事:1円玉より小さいZigBee対応無線モジュール、通信距離は1km)。TWE-Liteと基板アンテナ、USBコネクタをスティック状のケースに収めた。USBコネクタを備えていることで、PCやスマートフォン、タブレット端末と無線モジュールを簡単に接続できる。通信距離は見通しで500m。販売価格は2900円(税込み)となっている。秋月電子通商、共立電子産業、千石電商などで取り扱いを開始している。
東京コスモス電機は、TWE-Liteとマッチ棒形状のアンテナをDIP型ICの形状の基板に搭載した「TWE-Lite DIP」も提供している(関連記事:電子工作好きに火をつける、“マッチ棒アンテナ”付き無線モジュール)。TWE-Lite DIPにセンサーやLED、ブザーなどを接続しておけば、ToCoStickを接続した端末を親機として、これらのTWE-Lite DIPを複数台、制御/モニタリングできる仕組みだ。
ToCoStickには、あらかじめ標準アプリケーションソフトウェア「TWE-ZEROアプリケーションソフトウェア」がインストールされていて、すぐに使用を開始できる。「シリアル通信専用アプリ」「リモコン通信専用アプリ*)」といったアプリケーションソフトウェアが用意されていて、これらを書き換えるだけで用途に合う機能を実現できる。
*)2013年12月12日の時点では準備中である。
制御やモニタリングだけでなく、ToCoStickを接続した端末同士でチャットも行える。ピアツーピア無線通信技術なので、携帯電話通信網やWi-Fiなどのネットワークインフラは不要だ。ToCoStickの電波が届く範囲内であれば、1対複数のやり取りが可能になっている。「例えば、新幹線の車内で席が離れてしまっても、ToCoStickを使えば携帯電話通信網を気にすることなく、簡単にチャットが行える」(東京コスモス電機)。
なお、ToCoStickのUSBドライバは、Windowsの他、Linux、Mac OS X、Androidといった主要なOSに対応している。
ToCoStickは、モノのインターネット(IoT)やM2Mの用途を主なターゲットとして開発された。USBコネクタを搭載することで、センサーデータなどの情報をPCやタブレット端末に簡単に取り込めるようになる。TWE-Lite DIPをPCに接続する場合、専用のUSBアダプタ「TWE-Lite R」や、市販のUSBモジュール/ケーブルを用いるしかなかった(関連記事:あの“マッチ棒無線モジュール”を進化させる“ライター”が登場)。
東京コスモス電機は、「TWE-Liteは当社の予想を上回るペースで出荷されている。当社としては、TWE-Liteの出荷数をより増やすべく、ユーザーの利便性を上げるような製品を引き続き開発していきたい。今回はUSBスティック状だが、ニーズがあれば、Android端末に搭載されているMicro USBに対応した製品など、バリエーションを増やすことも可能だ。引き続き、TWE-Liteシリーズのラインアップの拡充を図っていきたい」と述べている。
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