NECエンジニアリングが販売を開始した2.4GHz帯無線通信モジュールは、人工媒体「メタマテリアル」を応用した独自のアンテナ構造を採用することで、安定した通信を実現した。消費電力についても、同社従来品に比べて送信時に約25%、受信時に約50%、スリープ時に最大87%削減した。
NECエンジニアリングは2012年4月、スプリットリング共振器アンテナを搭載した2.4GHz帯無線通信モジュールの販売を開始した。特徴は、人工媒体「メタマテリアル」を応用した独自のアンテナ構造を採用することで、安定した通信を実現したこと。NEC中央研究所が開発した技術を活用することで、モジュールをメイン基板に実装したときや外部の障害物によるアンテナ性能の変動を抑えた(関連記事)。
ZigBee規格に準拠した「ZB24TM-Z2701」と独自プロトコルを搭載した「ZB24TM-E2036」の2品種を用意した。対象用途は、宅内エネルギー管理システム(HEMS)やビルエネルギー管理システム(BEMS)といったエネルギーの見える化システムの構築、防犯、物流管理、工場の製造ライン監視などである。
いずれの品種も、データ伝送速度は最大250kビット/秒、出力電力は最大3mW、最大通信距離は見通し条件下で約150m以上である。消費電力についても、同社従来品に比べて送信時に約25%、受信時に約50%、スリープ時に最大87%削減した。具体的には、消費電流は送信時に標準34mA、受信時に標準25mA、スリープ時に標準1.6μAである。
電源電圧は2.1〜3.6V、外径寸法は25×20×3.9mmである。日本国内の電波法認証を取得済みで、現在、米国FCC、欧州CE認証の無線機カテゴリ許認可を申請中である(2012年6月取得予定)。10万個購入時の単価は両品種とも、900円(税別)。評価キットの販売も始めた。こちらの価格は1万5000円(税別)である。
なお、NECエンジニアリングは今回発表した新製品を、5月9日〜11日に開催される「組込みシステム開発技術展」と、5月30日〜6月1日に開催される「ワイヤレスジャパン2012」に出品する予定である。
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