リニアテクノロジーは、シングル・デバイスのスタンドアロン・バッテリー・バランサ「LTC3305」を発売した。直列に接続された最大4本の12V鉛蓄電池のバランスを1つのICで調整し、全てのバッテリーを均等に充電できる。
リニアテクノロジーは2015年1月、12Vの鉛蓄電池に対応する、シングル・デバイスのスタンドアロン・バッテリー・バランサ「LTC3305」を発売した。通信機器のバックアップ・システム、家庭用のバッテリー駆動バックアップ・システム、電気自動車、産業用照明システムなどの用途に向ける。
LTC3305は、直列に接続された最大4本の12V鉛蓄電池のバランスを1つのICで調整し、全てのバッテリーを均等に充電できる。より高電圧のバッテリーから吸収した電荷は、スタック内のバッテリーに順次接続する小容量のバッテリーを使って転送するが、転送用バッテリー内のエネルギーがスタックの総エネルギー量に加わるため、容量が増加するという。また、補助バッテリー・セルを使用すれば、スタック内の個々のバッテリー間で電荷を転送することも可能だ。
他に、外付けの高電圧NFETを順次駆動する回路、電圧モニター回路、ゲート駆動回路、フォルト検出回路も内蔵した。モード・ピンにより、タイマ・モードと連続モードの選択が可能で、タイマ・モードでは、バランス調整動作後の設定時間内は低消費電力状態になり、その後はバッテリーのバランスを定期的に再調整する。一方、連続モードでは、バッテリーのバランスが調整されて設定終了電圧になった後でも、バランス調整動作を継続できる。
LTC3305は、熱特性を改善した薄型(0.75mm)38ピンTSSOPパッケージで提供される。参考単価は、動作温度範囲−40〜125℃のEグレード/Iグレード・バージョンが1000個時6.95米ドルからとなる。
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