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IGBTの熱計算により 電力設計の有効性を最大化電源設計(3/4 ページ)

» 2015年06月09日 12時00分 公開

ダイ温度の計算

 パッケージ内の2つのダイの温度を正確に計算するためには、両方の自己発熱の相互作用を考慮することが重要です。これには、ダイオードの熱抵抗、IGBTの熱抵抗、ダイの相互作用Psiという、3つの定数が必要です。メーカーによっては、パッケージに対して1つの熱抵抗を公表していますが、この場合、ダイ温度は単に見積りであり、実際は精度に大きなばらつきがある可能性があります。

 IGBTおよびダイオードの熱抵抗の図は、デバイスのデータシートに含まれています。安定状態の熱抵抗は、図7および図8のように示されています。IGBTの場合は、0.470℃/W、ダイオードの場合は1.06℃/Wとなっています。計算にはもう1つの熱係数が必要で、これが2つのダイ間の熱の相互作用定数であるPsiです。テストでは、TO-247、TO-220、および同様のパッケージの場合、約0.15℃/Wであることが示され、下記の例はそれを使用しています。

図7:IGBTの過渡的な熱インピーダンス (クリックで拡大)
図8:ダイオードの過渡的な熱インピーダンス (クリックで拡大)

IGBTのダイ温度を求める

 IGBTのダイ温度は、下記の公式を使用して計算できます。

TJ-IGBT=(PIGBT・RθIGBT)+(PDIODE・Psi)+TCASE

下記の条件を想定して計算:

  • TC=82℃
  • JC-IGBT=0.470℃/W
  • PD-IGBT=65W
  • PD-DIODE=35W
  • Psi-interaction=0.15℃/W

IGBTダイの温度

  • TJ-IGBT=(65W・0.470℃/W)+(35W・0.15℃/W)+82℃
    • TJ-IGBT=118℃

ダイオードのダイ温度を求める

JC-diode=1.06℃/W
 TJ-DIODE=(PDIODE・RθDIODE)+(PIGBT・Psi)+TCASE

ダイオードのダイの温度

  • TJ-DIODE=(35W・1.06℃/W)+(65W・0.15℃/W)+82℃
    • TJ-DIODE=129℃

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