第2のユースケースはセンサーとメーターのデータを送るバックホールネットワークだ。バックホールネットワークはセンサーとデータセンターとの間を接続する。IEEE802.15.4gが下位センサーに対するリンクとなり、802.11ahがセンサーにより生成/集束されたデータを、データセンターに伝送するためのワイヤレスバックホールリンクとなる。図2は802.11ahのAPとゲートウェイがセンサーデバイスからデータを集め、データセンターに送信するワイヤレスネットワークを示す。
距離延長型Wi-Fiとしては、802.11ahはホーム、キャンパス、スタジアム、ショッピングモールなどさまざまな場所で利用可能だ。2.4GHzあるいは5GHzで動作する従来WLANに比べカバレッジエリアが広いため、ガレージや裏庭あるいは地下室などまでも届く。
例えば、キャンパス用WLANソリューションでは3バンド(2.4GHz/5GHz/900MHz)のAPを利用することによりキャンパスのどの地点ででもワイヤレスアクセスが可能になる。事務所と教室は802.11acでカバーし、屋外用として802.11ahのAPを備えることにより建物、駐車場、運動場などの広い範囲をカバーする。これにより携帯無線のトラフィックオフロード(Wi-Fiへの振り替え)に802.11ahの広カバレッジ性能を役立てることができる。802.11ahAPは広いエリアをカバーできるため、多数の生徒をカバーできることになる。
図3に主要国の802.11ah向け周波数帯の割り当て状況を示す。図から分かるように、多くの国が802.11ah向けの周波数帯を指定し、802.11ahに対応する最大帯域幅を定めている。チャンネルボンディング(チャンネル結合)により得られる最大チャンネル帯域幅は各国ごとに定められており、同じではない。
米国では902MHzから928MHzが割り当てられ、最大帯域幅は16MHzだ。中国では755MHzから787 MHzの32MHzの周波数帯が割り当てられ、最大帯域幅は8MHz。韓国では917.5MHzから923.5MHzが配分され、最大帯域幅は4MHz。
日本では周波数帯が916.5MHzから927.5MHz、チャンネルは幅1MHzで11チャンネルだ。シンガポールでは866MHzから869MHzと920MHzから925MHzの2周波数帯が配分され、最大帯域幅は4MHz、トータルとして8MHzになっている。
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