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Wi-SUNの標準器に採用された無線ソリューションルネサス エレクトロニクス

ルネサス エレクトロニクスは、Wi-SUN規格HAN認証用標準器に採用された無線通信ソリューションを発表した。1チップで2系統の通信アドレスを自動判別でき、開発の負荷を軽減するという。

» 2015年12月03日 09時00分 公開
[EDN Japan]

 ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2015年11月、2系統の通信アドレスを自動判別する機能を搭載した、Wi-SUN対応機器向けサブギガヘルツ帯無線通信ソリューションを発表した。無線通信LSI「RAA604S00」と32ビットマイコン「RX63N」を組み合わせたWi-SUN無線ソリューション、RAA604S00を内蔵した16ビットマイコン「RL78/G1H」によるWi-SUN無線ソリューションを提供。開発環境として、評価ボードと通信制御ソフトウェアも用意している。

Wi-SUN対応機器向けサブギガヘルツ帯無線通信ソリューション (クリックで拡大) 出典:ルネサス

1チップで2系統のアドレスを自動判別

 家庭内でエネルギーを管理するHEMS(Home Energy Management System)機器では、スマートメーターと家庭内機器の2系統の通信機能制御が必要とされる。従来は全ての制御をソフトウェアで処理していたが、周囲の通信機器が増加した場合、アドレス判別のためにソフトウェア処理の負荷が増大するという課題があった。

 RAA604S00は、2系統の通信アドレスを自動判別する機能を1チップに内蔵。これにより、ソフトウェアによる判別処理を不要とし、開発の負荷を軽減できる。Wi-SUN通信の受信電流は6.1mA、待ち受け時電流は5.8mA(Vcc=3.3V、典型値)と低消費電力のため、バッテリーを利用した製品の電池の長寿命化と電池容量の小型化に貢献するという。

 さらに、RX63Nを組み合わせたソリューションでは、Wi-SUNアライアンス国際無線通信規格「Wi-SUN Profile for ECHONET Lite」のHAN (家庭内ネットワーク)向けプロファイル認証のほか、HEMSコントローラとスマートメーター間向けのプロファイル認証を取得。RAA604S00とRX63Nを搭載した評価ボードと通信制御ソフトウェアは、Wi-SUN規格HAN認証用の相互接続試験の標準器に採用されている。

 RAA604S00およびRL78/G1Hのサンプル価格は、250円と620円(いずれも税別)。それぞれ、2016年1月と4月に量産を開始されるという。RX63Nと評価ボードは既に販売を開始しており、通信ソフトウェアは2015年12月から正規版を発売する予定。同社では、これらのソリューションを採用することで、他製品との相互接続性を確保でき、Wi-SUN規格準拠のHEMS機器の開発期間が短縮できるとしている。

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