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» 2015年12月08日 11時30分 公開

安価な「電圧降下法」で基板の短絡を検出するDesign Ideas 計測とテスト(2/2 ページ)

[Teno P Cipri,EDN Japan]
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ノードはどこであっても構わない

 短絡箇所を見つけるには、DMMの測定入力の一方で配線Aの任意のノードを、もう一方で配線Bの任意のノードを当たって、電圧降下をチェックする。この例では、正入力をノード1から、負入力をノード5から始める。

 まず、負入力をノード5からノード6に移すと、その間に電圧がわずかに降下するのがわかったと仮定する。そしてノード6からノード7に移したときには、電圧降下はなかったとする。この場合、ノード6からノード7には電流は流れず、ノード5 と6の間に短絡箇所があるはずだということになる。次に、正入力を動かしてみる。ノード1から2に移すと、その間に電圧が若干低下し、さらにノード3に移すと、また少し電圧が低下したとする。しかしノード3からノード4にプローブを移動させたときには変化しなかったならば、短絡はノード2から3とノード5から6との間にあるはずだという結論になる。

 図1の等価回路を図2のように描きなおすと、この方法を理解しやすい。単純な直列抵抗回路になっていて、電流が各抵抗を流れると電圧降下が発生するのである。ノードが電流経路の外にあるときは、電圧降下は発生しない。各ノードの電流経路の中での位置を理解すれば、電圧が低くなっている(電流が流れている)のか、それとも低くなっていない(電流が流れていない)のかを調べることにより、短絡箇所を容易に発見することができる。電流が流れていれば、短絡は電流源から見て、測定ノードより遠いところに、流れていなければ近いところにあるはずである。

図2:図1の等価回路で表現した「電圧降下法」の原理 (クリックで拡大)
プリント基板を等価回路に置き換えた。

このような単純明快な考え方によって、不良個所を簡単に発見することができる。この方法のメリットは、電流源の一端が配線Aのノードのどこかに、そして他端が配線Bのノードのどこかに接続されていれば、ノードはどこであっても構わないことである。

 ここで紹介したのは、2‐3と5‐6という2つのノード対の間に短絡箇所がある単純な例である。ここで、基板レイアウトについて、少々の知識と常識を働かせてみよう。ノード5‐6と同2‐3の間で、2つの配線が接近する位置が分かれば、短絡が最も起こりやすい部分が分かる。それが部品の下になっていれば、その部品を取り除かなければならない。それで短絡が解消することもある。プリント基板内部で短絡している場合には、カッティングやジャンパ線接続を行って不良箇所を見つける必要があるが、少なくともボード上でパターンをカットする回数を減らすことはできる。

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※本記事は、2008年7月29日にEDN Japan臨時増刊として発刊した「珠玉の電気回路200選」に掲載されたものです。著者の所属や社名、部品の品番などは掲載当時の情報ですので、あらかじめご了承ください。
「珠玉の電気回路200選」:EDN Japanの回路アイデア寄稿コラム「Design Ideas」を1冊にまとめたもの。2001〜2008年に掲載された記事の中から200本を厳選し、5つのカテゴリに分けて収録した。

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