STマイクロエレクトロニクスは、車載グレードに対応した電源制御用ICの新シリーズを発表した。シリーズ最初の製品「L5963」は、単一の小型パッケージに3個の電圧レギュレータを搭載している。
STマイクロエレクトロニクスは2015年12月、インフォテインメント機器向けに、車載グレードに対応した電源制御用ICの新シリーズを発表した。複数の電圧レギュレータを1チップに集積し、コスト低減と基板の小型化に貢献するという。
新シリーズ最初の製品となる「L5963」は、2個の降圧DC-DCコンバータと低ドロップアウトリニアレギュレータ、500mAのハイサイドドライバを集積している。単一の小型PSSO36パッケージに、3個の電圧レギュレータを搭載した。
L5963は、同社の車載向けBCD8プロセス技術とDTI(Deep Trench Isolation)技術を採用。BCD(Bipolar・CMOS・DMOS)プロセス技術は、1チップ上に低電圧回路と高電圧回路を集積できるため、3個のレギュレータをバッテリに直接つなげることができる。同時にDTI技術により、内部ブロック間の絶縁性が強化され干渉が減少するという。
車載バッテリに全レギュレータを直接接続できるため、シンプルな外付け抵抗部品で出力電圧を設定可能。さらに、ハードウェアピンで、各レギュレータの有効/無効を個別切り替えできる高い柔軟性を備えたとしている。スイッチング周波数は最大2MHzで、DC-DCコンバータの高電流容量はレギュレータあたり最大3Aとなっている。
1000個購入時の単価は約2.4米ドル。現在、サンプルを出荷中である。
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