TDKは、医療機器向けAC-DCスイッチング電源「CME-Aシリーズ」を発表した。自然空冷方式を採用することで搭載機器の騒音を防ぐとともに、各種医用規格に適合。従来製品と比較して、大幅な小型化/高効率化を実現しているという。2016年6月から、量産開始の予定だ。
TDKは2016年4月15日、TDK-Lambdaブランドの医療機器向け小型AC-DCスイッチング電源「CME-Aシリーズ」を開発したと発表した。CME-Aシリーズは、自然空冷方式を採用している。これにより、ファンを回すことによる騒音を防ぐとともに、ファンの回転体に使用する部品のメンテナンスを不要とし、寿命が長くなっているという。
また、各種医用規格に適合。ES60601-1 Ed.3、CSA60601-1 Ed.3、EN60601-1 Ed.3において、より厳しい要求とされる絶縁クラス「入力−出力:2×MOPP」(患者保護手段)に対応した。UL/CSA60950-1にも対応し、産業機器向けにも使用が可能となっている。
CME-Aシリーズのラインアップは、定格出力電力100W、200W基板型と、同350Wユニット型の3モデルをそろえる。100Wモデルのサイズは50.8×25.4×101.6mmで、動作周囲温度範囲は−20〜70℃である。入力電圧範囲は85〜265V、出力電圧は5、12、24Vとなっている。リーク電流は、全ての入力範囲で0.3mA以下としている。
200W、350Wモデルの量産は2016年6月から開始。100Wモデルは同年8月を予定している。2016年4月15日現在、「価格と販売計画に関しては非公開」(TDK)とする。
同社は、「自然空冷方式や医用規格に対応するAC-DC電源は他にもあるが、CME-Aシリーズはそれらに対応しつつ、小型/高効率を実現している」と語る。200W、350Wモデルは、1次側LLC方式と2次側同期整流のDC-DCコンバーターを採用。これにより、内部損失を抑え、最大効率94%を実現した。待機電力(リモートコントロールOFF時)も、200Wモデルが0.34W、350Wモデルを0.45Wに抑えたという。
同社によると、200Wモデルと従来製品「CME150」(最大出力電力:151.2W)の比較では、単位体積当たりの電力密度は2.7倍。実装面積に関しても、41.8%削減している。100W、200Wモデルでは、強制空冷によって出力電力を高めることも可能だ。
また、全モデルにリモートコントロール機能を搭載するとともに、200W、350Wモデルには補助電源(5V、0.5A)を搭載。200Wモデルには出力モニターとして「DC-OK信号」、350Wモデルには入出力モニターとして「パワーグッド信号」も搭載している。
なお、CME-Aシリーズは、2016年4月20〜22日に幕張メッセで開催される「TECHNO-FRONTIER 2016」(電源システム展)のTDKブースで展示予定という。
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