パワーシステムマネージャーの他の主な機能としては、内部EEPROMへのブラック・ボックス・フォルト・ログ機能が挙げられます。フォルトが発生するたびに不揮発性EEPROMメモリに保存される直近数サイクル分のADCのモニターデータを解析することにより、不良解析が劇的にスピードアップします。このマネージャーを使用すると、リモート診断も可能です。上部レイヤーのソフトウェアと統合すれば、離れた場所からボードの電源システムをモニターし、診断することが可能になります。同様に、ファームウェアを更新してフィールドでアップグレードすることができます。
デバイスによっては、時間遅延またはカスケード接続によって電源シーケンシングを行います。電源のトラッキングもサポートされています。一例として、16チャンネルのパワーシステムマネージャー「LTM2987」(リニアテクノロジー製)を図3に示します。16を超える電源の管理には、LTM2987を他のマネージャーと簡単に連携動作させることができます。
パワーシステムマネジメントは、多数の電源レールを利用する最新の高性能デジタル処理ボードにとって不可欠です。市場に出ているほとんどのソリューションは、シーケンサーの補足として設計されているか、あるいは広範なプログラミング作業を要する多数のウィジェットが付属しています。ですが、こうした問題に対処した相互運用可能な製品が登場し、ハードウェア設計者の負担を軽減し始めています。
【著:Pinkesh Sachdev(ピンケシュ・サチデーヴ)氏/Linear Technology(リニアテクノロジー)プロダクト・マーケティング・エンジニア】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.