Thread内部のネットワークでは、IPv6の近隣探索プロトコルは使用されない。グローバルプレフィックスと補助ULAプレフィックスでは、ルーターアドバタイズメッセージやステートレスオートコンフィギュレーションを使用しており、割り当てられたアドレスによる配布は行わない。代わりに、Threadリーダーからのネットワークデータメッセージで、プレフィックスはアドバタイズされる。
ボーダールーターとDHCPサーバからリーダーへのネットワークデータの通知には、TMF(Thread Management Framework)プロトコルが使われる。TMFは、RFC7252に記述されたCoAP(Constrained Application Protocol)をベースとする。
Threadネットワーク内部のノードから、外部ネットワークを宛先とするパケットが転送されていく際、通常のIPメッシュルーティングがThreadネットワーク内で使われ、ネットワークデータにて通知されたプレフィックスを使用して外部とのルートを提供するボーダールーターに送られる。
エンドデバイスとなる子機は、親機からネットワークデータを受け取るデバイスもある。機能を限定した子機(スリープノードなど)は、より安定したネットワークデータの一部しか保持せず、寿命が短い一時的なデータは受け取らないと選択できる。
Threadネットワークデータの定常的なインスタンスと一時的なインスタンスは、リーダーによりバージョンが管理され、エンドノードへのアップデートに親機が活用する。
Threadネットワークデータは、以下の情報を含む。
ネットワーク内部のノードから外部の宛先へパケットを転送する際、通常のIPメッシュルーティングが使われ、Threadネットワークデータで通知されたプレフィックスへの外部ルートを提供する最も近いボーダールーターが使われる。図4に、ThreadネットワークデータとDHCPv6を使用したGUA割り当ての波及と通知の様子を示す。
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