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低温成型と常温保存が可能なフレキシブル基板材料パナソニック R-BM17/R-F705T

パナソニックは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器向けに「低伝送損失 フレキシブル多層基板材料」を製品化した。低温成型と常温保存を可能にしたことで、高周波用フレキシブル多層基板の製造が容易になるという。アンテナモジュール用基板や高速ケーブルなどの用途を見込む。

» 2017年02月02日 09時00分 公開
[EDN Japan]

180〜200℃で成型できる接着シートを開発

 パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は2017年1月、スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器向けに「低伝送損失 フレキシブル多層基板材料」の量産を開始したと発表した。LCP(液晶ポリマー)のコア材「R-F705T」と200℃以下の低温成型と常温保存が可能な接着シート「R-BM17」を組み合わせることで、高周波用フレキシブル多層基板の製造が容易になるという。

 高周波用フレキシブル多層基板は、モバイル機器の大容量伝送と薄型化を両立する材料として注目を集めている。その一方で、取り扱いに制限があり、製造・保管に特殊設備を必要とするなどの課題があった。

 今回同社では、独自の樹脂設計技術を用いて180〜200℃で成型できる接着シートを開発した。従来の300℃に比べて低い温度で成型できるだけでなく、従来は5℃以下の冷蔵保管が必要だったが、23℃での常温保管を可能にした。LCPコア材では、独自の積層技術を用いてLCPと低粗度銅箔との接着性を高めている。

「低伝送損失 フレキシブル多層基板材料」

 コア材の比誘電率は10GHz時2.9、誘電正接は0.002。USB3.1 Gen2に対応している。0.1mmのLCPコア材、0.05mmの接着シート、0.05mmのLCPコア材を組み合わせた厚さ0.2mmの3層構成のフレキシブル多層基板では、6GHz時の伝送損失は−2dB/100mmである。アンテナモジュール用基板や高速ケーブルなどの用途を見込むとした。

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