TDKは2017年3月7日、LC複合型のEMIフィルター「MEM1005PP」シリーズを発表した。従来品と比べて実装面積を約61%削減、定格電流は3.5倍の350Aを実現したのが特長という。
TDKは2017年3月7日、LC複合型のEMIフィルター「MEM1005PP」シリーズを開発したと発表した。無線通信帯域を含む700MHz〜3GHzでは、30dB以上のノイズ除去特性を持つ。スマートフォンやタブレット端末でのRF受信回路でアンテナに干渉するノイズや、クロック信号のノイズ除去に適するという。
TDKの担当者は、同シリーズの特長に「小型化」と「定格電流」を挙げる。インダクターとコンデンサーを1チップ化することで、従来品の1.6×0.8×0.8mmから1.0×0.5×0.35mmへと小型化した。実装面積を約61%削減し、部品点数の削減と省スペース化に貢献する。担当者は「小型、薄型化への要求が強くなるスマートフォンにも対応可能」と語る。
定格電流は従来品の3.5倍となる350mAを実現。これらの特性実現は、独自の構造設計採用による成果としている。直流抵抗は従来比69%減の最大0.8Ω、動作温度範囲も−40〜85℃から−55〜125℃となったため、回路設計の自由度が上がるという。カットオフ周波数は250MHz(典型値)、定格電圧は最大10Vとなっている。
サンプル価格は、1個当たり20円(税別)。2017年3月から量産を開始しており、当初は月産100万個を予定している。担当者によると、今後はカットオフ周波数を上げて、5G(第5世代移動通信)に対応するEMIフィルターなどを開発する予定だ。
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