今回は、実際に発生した「ESDの事例」と、システムを設計する際にESD対策をプリント基板上に盛り込む方法、さらにはマイコンメーカーが行っているESD耐性評価試験の内容について解説する。
前回に引き続き、ESD(Electro Static Discharge)について解説していく。今回は、実際に発生した「ESDの事例」と、システムを設計する際にESD対策をプリント基板上に盛り込む方法、さらにはマイコンメーカーが行っているESD耐性評価試験について詳しく解説する。
ESDの基礎知識については、以下の記事を参考にしていただきたい。
⇒ | Q&Aで学ぶマイコン講座(38):ESDとEOSの違いと対策法 |
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また、本文中に出てくる解析方法、用語については以下のEDN Japanの記事を参考にしてほしい。
⇒ | マイコン講座 不良解析編(1):不良解析レポートを理解するための基礎知識 |
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⇒ | マイコン講座 不良解析編(2):電気的不良位置特定解析とSEM/SAM観察の基礎 |
⇒ | マイコン講座 不良解析編(3):二次物理解析 ―― PVCチェッカーと断面図解析 |
⇒ | ESD対策新時代 |
ユーザーから不具合の連絡を受けて詳細な解析を行った結果、最終的にESD起因だった不具合現象を図1に示す。多くの場合、次に挙げる3つの不具合現象のいずれかが確認される。
これ以外の不具合現象でも、ESDが原因である場合がある。例えば、フラッシュメモリやRAMの読み書きができないという不具合や、フラッシュメモリのデータが変わってしまうという現象、さらにはデジタル回路やアナログ回路が正常に動作しない不具合もESDが原因である場合もある。もちろん、これらが単発で起きている場合もあるし、併発している場合もある。
汎用IO以外で発生する現象は、ESDの高電圧サージがマイコンの内部にまで至っていることを示している。
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