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DC-DCコンバーターのAC特性DC-DCコンバーター活用講座(16) データシートの理解(2)(1/4 ページ)

今回の記事では、DC-DCコンバーターのAC特性の測定方法について解説します。

» 2018年03月26日 11時00分 公開

測定方法――AC特性

 オシロスコープ1つをとってみても、標準的なプローブをコンバーターに接続してディスプレイから結果を読みとっても、干渉メカニズムと相互関係が分かっていなければ、それが常に信用できるとは限りません。差動モード(DM)とコモンモード(CM)効果のせいで、正しい数値が得られない場合もあり得ます。DMとCMの干渉については5章で詳しく述べますが、今はこう述べておくだけにしておきます。単純なオシロスコープのプローブでは、対称的であり2つの接続で同時に発生するという理由でDM干渉をほとんど無視しているため、AC測定においてはオシロスコープのディスプレイからDM成分が消えてしまっています。

 AC測定の誤差となるもう1つの原因は、オシロスコープの対応帯域幅です。最近のオシロスコープは400MHz以上の入力帯域があります。しかし、データシートをよく読むと、出力リップルの測定は通常、帯域を20MHzに制限して行われます。これは、20MHzを越えるCM成分は、小さなコンデンサーで簡単に除去できるのでそれほど問題ではない一方で、測定値はオシロスコープのメーカーやタイプに依存してはならないためです。20MHzの帯域制限オプションなしで使われるオシロスコープを使うと、常に測定値が高く出ます。

実用的ヒント

 最後に、プローブそのものが誤差の原因になることがあります。プローブのケーブルはできるだけ短くしなければなりません。プローブの先端が+ピンに接し、グランドピンがリングに接しているのが理想です。付属のアースクリップは決して使ってはいけません。アース線がループを形成し、それがアンテナを形成して相当量の外部ノイズを拾ってしまうからです。

図1:AC信号の間違った測定方法 出典:RECOM(クリックで拡大)
図2:AC信号の正しい測定方法 出典:RECOM(クリックで拡大)

 もしブローブの接触経路を短くすることができない場合、図3に示す方法がよいでしょう。インピーダンスマッチングのとれたRC部品を使うことで、測定値に干渉する可能性のあるRF反射を避けることができます。

図3:図2に代わるAC測定方法 出典:RECOM(クリックで拡大)

実用的ヒント

 測定波形は、2つの50Ωの抵抗器で形成される分圧回路によって二分されていることに注意してください。そのため、オシロスコープの表示は、2倍にする必要があります。マッチングのとれた部品を使った時も、同軸ケーブルはできるだけ短くしてください。


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