高い電力効率を小さい面積で実現するPMIC:ルネサス ISL91302B、ISL91301x
ルネサス エレクトロニクスは、小型ながら高電力効率を可能にしたプログラマブルパワーマネジメントIC「ISL91302B」「ISL91301A」「ISL91301B」を発表した。1出力から4出力のマルチフェーズだ。
ルネサス エレクトロニクスは2018年4月、実装面積70mm2と小型ながら、最大出力電流20A、ピーク効率94%を提供する、高電力効率のプログラマブルパワーマネジメントIC(PMIC)「ISL91302B」「ISL91301A」「ISL91301B」を発表した。産業用MPUやFPGA、AI(人工知能)プロセッサなどへの電源として使用できる。また、民生機器、ネットワーク機器など複数の電源入力を必要とする製品にも対応する。
PMIC「ISL91302B」「ISL91301A」「ISL91301B」
ISL91302Bは、1出力または2出力のマルチフェーズPMICだ。最大出力電流20Aを振り分ける方式として、デュアルフェーズ、トリプルフェーズ、クアッドフェーズの3つの構成を出荷時に選択できる。ISL91301Aは3出力、ISL91301Bは4出力で、最大出力電流16Aを振り分ける方式として、2つの構成を出荷時に選択できる。いずれも、各出力にそれぞれ任意の出力電圧の設定が可能だ。
いずれも省スペースな実装面積を実現し、4フェーズ設計で7×10mm。同社独自の「R5」制御方式により、負荷過渡中の高速応答特性、位相補償の最適化、最大6MHzの高周波スイッチングを可能にした。また、出力電流に応じてアクティブなフェーズ数を変化させるため、低消費電流と高い軽負荷時効率を有し、高機能で大量の電力を消費するアプリケーションにおいてバッテリー駆動時間を大幅に延長できる。
1000個購入時の参考価格は、ISL91302Bが1個あたり3.90米ドル。ISL91301A、ISL91301Bは3.12米ドル(いずれも税別)となっている。
- 車載SoC「R-Car H3」向けPMICチップセット
ダイアログ・セミコンダクターは、ルネサス エレクトロニクスの車載コンピューティングプラットフォーム「R-Car H3」向けに、システムPMICと2つのサブPMICで構成するパワーマネジメントIC(PMIC)チップセットを発表した。
- 1.1V出力時の効率91%のプログラマブルPMIC
インターシルは、GPU、FPGA、システム電源向けに、高効率のプログラマブルパワーマネジメントIC(PMIC)「ISL91211」を発表した。自動ダイオードエミュレーションモードにより、1.1Vの出力電圧時に91%の効率を可能にした。
- エナジーハーベスティングPMICを評価するキット
サイプレス セミコンダクタは、同社のエナジーハーベスティングパワーマネジメントIC(PMIC)「S6AE102A」「S6AE103A」を評価する「CYALKIT-E04 S6AE102A and S6AE103A 評価キット」を発表した。
- スタンバイ電流0.3μAのパワーマネジメントIC
Maxim Integrated Products(マキシム インテグレーテッド プロダクツ)は、リチウムイオンバッテリー向けの小型パワーマネジメントIC「MAX77650」と「MAX77651」を発表した。スタンバイ電流を0.3μAに抑えている。
- 効率94%の6チャンネルパワーマネジメントIC
ダイアログ・セミコンダクターは、低RDSonのFETにより、最大94%の効率を達成したパワーマネジメントIC「DA6102」を発表した。バックレギュレーターやバックブーストレギュレーターなど、6つのチャンネルを搭載している。
- 電源システムハードウェアのソフトマネジメント
プロセッサの電源電圧が1V未満になるなど電源システム設計はより複雑で高度になっている。そうした電源システム設計をより簡便にするデジタルマネジメント技術が登場しているが、出力精度などはアナログマネジメント技術に劣る。そうした中で、デジタル/アナログ双方の長所を生かしたパワーマネジメント技術に注目が集まっている。
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