今回は、フルフィルタリング機能を備えたDC-DCコンバーターの回路および、フィルターレイアウトについて解説します。
同相チョークは、同相干渉対策のために1次側に使用することもできます。差動入力電流干渉は、同相電流干渉に比べて非常に大きな値になることがあるので(突入電流と反射リップル電流)、この方法は、同相入力電流対策としてではなく、要求頻度の高いEMC要求を満たす方法として有望です。フルフィルタリング機能を備えたDC-DCコンバーターの回路を図1に示します。
注意すべき点は、多くのアプリケーションでは、図2(=前回図9再掲)に示す部品が全て必要なわけではないということです。部品を追加すると、それがいかなるものであっても全体的な効率は低下するので、フルフィルターの使用は必要な場合だけに限ってください。一部のアプリケーションでは、入力コンデンサーC3と1個または複数の同相コンデンサーCCMだけで、十分にEMC要求を満たすことができます。
部品数を減らすために、接続構成を変えることによって、同相チョークを差動インダクターとして使用することができます。これは、CMC1=L1および、CMC2=L2にできることを意味します。これは、合計4つのインダクターに対して2つのピックアンドプレース・リールしか必要としないので、SMDチョークを使用する場合には特に有効です。しかし、同相チョークはこのような用途のために設計されているわけではないので、この方法が有効なのは一定の条件下に限られます。
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