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突然タンタルコンが燃えた ―― バッテリーを逆接した基板の修理(1)Wired, Weird(3/3 ページ)

» 2019年05月08日 11時00分 公開
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タンタル電解コンデンサーが燃えている!

 SBDとパワーMOSFETを外してそれぞれをテスターで確認したが、2個とも正常だった。パワーMOSFETのゲートに4Vの電圧を印加したところ、オン抵抗は0.3Ωだった。正常な値なので基板へそのまま戻した。そしてバッテリー端子に12Vを印加してみたが、やはりPV(電源LED)は点灯しなかった。また基板上のIC2個の電源端子に電圧は印加されなかった。モーターのコントロールIC周辺の写真を図4に示す。

図4:モーターコントロールIC周辺(クリックで拡大)

 モーターコントロールIC「MC33035」のデータシートを確認したら電源端子が分かり、図4のICのすぐ上にあるタンタル電解コンデンサーC1がこのICのパスコンだった。またC1の直上にあるトランジスタ(赤四角でリードを囲う)のコレクタへは+12V電源が来ていた。定電圧電源を使って12Vで1Aの電流リミットを入れてPV端子へ接続し、トランジスタのコレクタとエミッタをジャンパーで接続してみた。すると、

 あーっこれは何だ? わーっタンタル電解コンデンサーが燃えている!

 突然、タンタルコンデンサーC1から煙が吹いた。結果から考えるとバッテリーの逆電圧が印加されたためタンタル電解コンデンサーが短絡破損していた。このため12V電源をタンタル電解コンデンサーで短絡して煙が噴出したわけだ。

 この時、タンタル電解コンデンサーの故障モードを思い出した。タンタル電解コンデンサーは逆電圧でショートモードで破損するのでヒューズ付きを使うよう20年以上前に回路設計者へ教育したことが記憶によみがえってきた。バッテリーの逆接続でC1のタンタル電解コンデンサーにも逆電圧が印加されたので、短絡破損したようだ。このため、C1に電源を供給するトランジスタも破損し、電源がICに印加されていなかった。

トランジスタとパスコンを交換! でも……

 トランジスタとパスコンを交換して電源を入れたが、なぜかPVが点灯しない。印加した電圧が低いのかなと思い、少しずつ電圧を上げたら13.2VでPVの緑LEDが点灯し、ICにも電源が供給された。この時の消費電流は50mA程度だった。しかし、CMOSを使った回路で負荷は接続していないのに50mAもの消費電流はどうも多すぎる。もちろんPUMPの端子には電圧は出なかった。

 この基板が正常に動作するにはまだまだ時間がかかりそうだ。図3の回路メモで回路を詳しく読み解いていくと、パワーMOSFETがオンオフ動作を繰り返すことでDC/DCコンバーターと同じ原理でポンプの駆動に必要な電圧が生成され、徐々にPUMP電圧が上がっていくようだ。どうやら他にも多数の部品が壊れているようだ。続きは次回に報告する。

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