熱磁気ミニチュアサーキットブレーカー(MCB)は、電流の遮断に独立した2つのトリガ方式を採用しています。磁気トリップは大きい短絡電流に素早く反応し(標準で約5ミリ秒)、熱トリップは継続的な過負荷に何秒かをかけて反応します。2つのトリガー手段のバランスは、設計により調整可能です。例えば、一時的な過電流にはゆっくり反応しても、短絡故障には素早く反応するMCBを選択することができます。
一般に、ヒューズはサーキットブレーカーより素早く反応することが想定されていますが、これは必ずしも正しいとは限りません。特に、入出力電流が数アンペアと大きい高出力の低電圧DC-DCコンバーターの場合、MCBによって厄介なトリッピングを気にせずに、トリップ・ポイントをヒューズの場合より定常電流のずっと近くに設定できます。MCBは、危険エネルギーとして分類される可能性のある、低振幅で長期間の過負荷状態にも反応します。
サーキットブレーカーの他の長所としては、リセット可能、トリップの視覚表示、非常に大きい定格遮断容量、物理的な内部アーク抑制(アークランナーやアークシュートなど)、ならびに複数接続(ポール)の同時切断があります。主な短所は、かなり高価で大型であることと、定格電流がヒューズより小さいことです。
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※本連載は、RECOMが発行した「DC/DC知識の本 ユーザーのための実用的ヒント」(2014年)を転載しています。
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