通常、NMIには許可ビットがありませんが、NMIの許可ビットをもち、設定をしないとNMIが使えないマイコンもあります。この場合、マイコンの起動からNMIの許可ビットを設定するまでは、NMIが使えません。
コストを重視して機能を最小限にしたマイコンでは、NMI機能がない場合もあります。この場合、最も優先順位の高い割り込みをNMIの代わりとして使うことになります。
また、NMIと同じようにマスクできない割り込みを持っていても、NMIと若干仕様が異なる場合があります。例えば、8ビットマイコンである「STM8Sファミリ*5)」(STマイクロエレクトロニクス製)のSTM8コアにはNMIがなく、代わりに、マスクできないTRAPという割り込みがあります。TRAPとNMIの違いは、優先順位の割り当てです。TRAPは他の割り込みで最も優先順位の高い割り込みと同じ優先順位となるため、NMIのように単独で優先順位が高いわけではありません(図5)。
*5)参考ページ:https://www.stmcu.jp/stm8/stm8s/
NMIが端子に割り当てられている場合には、ノイズに注意しなければなりません。NMIの端子にノイズが入ると、致命的な障害の発生を誤検知して、マイコンが緊急動作に切り替わってしまいます。そのため、NMIに割り当てられている端子には、十分なノイズ対策を施す必要があります。端子から入力されるノイズに関しての対策は「ハイレベルマイコン講座【EMS対策編】*6)」を参照してください。
*6)ハイレベルマイコン講座【EMS対策編】:
・どのノイズ対策が最も効果的か? よくあるEMS対策を比較する【準備編】
・最も効果的なノイズ対策がついに判明!? よくあるEMS対策を比較する【実験編】
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