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宇宙空間でも使用できる非焼結型固体二次電池日本特殊陶業 固体二次電池

日本特殊陶業は、セラミック積層技術を活用し、非焼結型の酸化物系固体二次電池を開発した。不燃性で安全性が高く、使用温度範囲も広い。宇宙空間や自動車、海洋機器、運輸用IoT、防爆性能を必要とする機器に適する。

» 2021年06月02日 09時00分 公開
[EDN Japan]

 日本特殊陶業は2021年5月、同社のセラミック積層技術を活用し、非焼結型の酸化物系固体二次電池を開発した。不燃性で安全性が高く、使用温度範囲も広いことから、宇宙空間や自動車、海洋機器、運輸用IoT(モノのインターネット)、防爆性能を必要とする機器に適する。

体積エネルギー密度は300Wh/L

 固体電解質に独自開発のLLZ(ランタンジルコン酸リチウム)酸化物を採用し、高いリチウム伝導性を有する。体積エネルギー密度は300Wh/Lで、容量は0.5〜10Wh、大きさは30〜110mm角をラインアップしている。

開発した固体二次電池。左はパウチタイプ、右は「HAKUTO-R」向けの金属缶タイプ

 釘刺し試験もクリアし、硫化水素など有毒ガスの発生、破損、破裂、発火の恐れもない。使用温度範囲は、−30〜+105℃としている。

 宇宙空間での利用に向け、同社はispaceが進める民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」に参画している。2022年の月面ミッションでは固体電池の実証実験を予定している。既にフライトモデル電池の試作が完了し、真空試験、振動試験、熱サイクル試験など宇宙向けの環境試験もクリアしている。

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