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フィルムキャパシター(2)―― メタライズド品の特徴と構造中堅技術者に贈る電子部品“徹底”活用講座(32)(1/4 ページ)

フィルムキャパシターの1つの特徴であるメタライズド品の構造や使用上の注意点について説明するとともに、フィルムキャパシターのディレーティングについて考えます。

» 2019年06月24日 11時00分 公開

 前回はフィルムキャパシターの特徴とその構造について説明しました。今回はフィルムキャパシターのもう1つの特徴であるメタライズド品の構造や使用上の注意点について説明するとともに、フィルムキャパシターのディレーティングについて考えます。

メタライズド品と一般品

 一般品とメタライズド品の概略構造を表1に記します。一般のフィルムキャパシターは表1(a)に示すように誘電体フィルムと電極箔を交互に重ねて巻き取ります。この電極箔は巻き取り時の引っ張り強度の必要から10μm〜50μmほどありますが電気的な特性から見ればもっと薄くても済むはずのものです。

メタライズド品はこのような観点から開発されたもので表1(b)に示すように、誘電体フィルムの表面にアルミ、あるいは亜鉛などを用いて電極A、Bを蒸着させたメタライズドフィルムを巻回あるいは積層しています。

 この結果、

  • 一般品の箔厚に対して電極厚みを数100Å(0.0数μm)程度に薄くでき、キャパシターを小型化できます。
  • 電極箔の厚みが通常の箔型に比べて薄く、メタリコン部との横方向への接続抵抗が上がるため、パルス電流やdv/dtに弱くなります。加えて同じ理由でESR(等価直列抵抗)も高くなります。

という特徴を持ちます。

表1:構造比較
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