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» 2021年12月07日 10時00分 公開

オシロスコープが届いたら最初にすること初めて使うオシロスコープ(1)(2/6 ページ)

[TechEyesOnline]

オシロスコープに電源を投入する

 オシロスコープ本体と電源コードをつないでコンセントから給電を行う。このとき重要なのが、接地(アース)を取ることである。接地が取れていればオシロスコープを安全に使うことができる。

図4:接地が確実に取れる3ピンコンセントに電源プラグを接続する

 オシロスコープに電源を投入すると、最初に下記のような画面がしばらく表示される。この表示がされている間にオシロスコープの診断や初期設定が行われる。

図5:電源を投入したときに最初に表示される画面

日付時刻を設定する

 購入したばかりのオシロスコープで最初に行う操作が、日付時刻の設定である。パネルにあるユーティリティー(Utility)キーを押すことによって下記の画面が表示されるので、日付時刻を設定する。

 オシロスコープに設定する日付時刻は、USBメモリに波形データなどを保存する際に一緒に記録されるので必ず初期設定を行う必要がある。

図6:日付時刻の設定

 その他、液晶画面に表示される言語やヘルプ表示の有無の選択ができる。今回の記事では分かり易くするために日本語表示とした。

【ミニ解説】オシロスコープを安全に使うために配電の仕組みを知る

 多くの電子機器や電気機器は、電力会社が供給する単相の交流電源を使って動作している。世界の単相交流電源は米国や日本で使われている100V系と欧州や多くのアジア、中東、オセアニア、アフリカで使われている200V系がある。100V系には100V、110V、115Vがあり、200V系には220V、230V、240Vがある。またプラグの形状は各国で異なるため、海外に出向く場合は事前に電源電圧とプラグの形状を確認する必要がある。

 日本国内では、一般の電気機器や電子機器に使われる交流電源は単相100Vである。大型の住宅用エアコンやIHクッキングヒーターなど、消費電力の大きな電気機器は単相200Vが使われている。電力会社では変電所から需要家の近くまで6600Vの電圧で配電され、需要家の近くの電柱に設置された柱上トランスや地上に設置されたキュービクルの中にあるトランスを使って、100Vと200Vが使えるように単相3線という配線で電子機器や電気機器に電気を供給している。工場やビルなどでは工作機械やエレベーターなどの動力用に三相電源が供給されているが、住宅やオフィスでは三相電源を使うことはあまりない。

図7:単相3線で供給される100Vと200V

 住宅やオフィスなどに配電された電気は、壁にあるコンセントから使えるようになっている。住宅の多くは、接地端子がない2ピンのコンセントから100Vが給電されるようになっている。台所や洗面所など水を扱う場所のコンセントは、接地端子付きになっている。その他にも、用途に応じてさまざまなコンセントが使われている。

図8:日本国内で使われている単相三線用の主なコンセントの形状

 住宅で使われる電気機器の中で、洗濯機や電子レンジの取扱説明書には安全のために接地を取って使うように書かれている。これらの機器は水や水蒸気のあるところで使われるので、漏電による事故を防ぐために接地の記述がされている。

 人が電気機器や電子機器の金属ケースに触れる可能性のある製品の場合は、故障による漏電やノイズフィルターからの漏れ電流によって人が金属部分に触れたときに感電する危険がある。接地が取れていれば人は感電しないので、安全に電気機器や電子機器を使うことができる。屋内に配電された交流電源は分電盤に設置された漏電ブレーカーを経由しているので、火災や感電など重大な事故が生じる恐れのある漏電があった場合は電源を遮断する仕組みとなっている。

図9:接地の有無により感電の危険性の違い[クリックで拡大]

 漏電以外にも機器の金属ケースに電圧が印加される場合があり、感電事故が発生する可能性がある。オシロスコープは入力のBNC端子の外側がケースに接続されているので、接地をしないで使うと測定対象のコモンモード電圧がケースに印加されて感電する危険がある。

 人の体内を電流が流れた場合の危険度は電流値によってことなるが、オシロスコープを使うときは危険回避のために接地が取れる3ピンのコンセントから給電するのが安全である。


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