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電気自動車の充電インフラ規格やトポロジーをまとめる(2/3 ページ)

» 2022年02月02日 11時00分 公開

DC充電の規格とプロトコル

 xEVを公共で利用可能な充電器で充電するには、標準化を実施し、共通プロトコルへの合意形成が必要になります。これは欧州など、車両が国境をまたいで移動することが多い地域では特に重要です。

 世界には3つの主要なプロトコルがあり、これらはさまざまな国際標準に基づいています。CHAdeMO(charge de move)は、2010年に日本で設立され、主要な日本企業(日産自動車、三菱自動車、トヨタ自動車、日立、本田技研工業など)と欧州のメーカー数社によって推進されています。CHAdeMOは、IEC6185やIEC62196などの国際規格に基づいて、専用のコネクターを定義しています。また、充電器も定義されています。現在、最大400kW/1000Vですが、中国電力評議会と共同で最大900kWの充電器を目指していると報告されています。

 CCS(Combined Charging System)は、もともとはVolkswagen、Audi、BMW、Daimler、Ford、GM(General Motors)、Volvoなどの欧米の大手メーカーによって開発されましたが、現在はアジアのメーカーも参加しています。CCSは、該当するIEC、SAEおよびISO規格から、ACおよびDC規格を導き出して、最大350kWの充電器規格に取り組んでいます。現在、3万3000箇所以上の充電ポイントが配備されており、その半数以上が50kWのものです。

 3つ目の規格は、Tesla車向けの独自規格である高速DC充電「Tesla Supercharger(テスラ スーパーチャージャー)」です。テスラ独自のコネクターを使用し、最大250kWの電力を供給するステーションが2万台以上設置されています。ネットワークを拡張するために、Teslaは現在、一部の車両がCCS充電ステーションを使用するためのアダプターを提供しており、欧州では一部のTesla車両にCCS互換ポートが取り付けられています。

 いずれの規格においても充電時間は、バッテリー容量、充電状態、充電ステーションから利用可能な電力および、車両で可能な最大充電率の関数となります。例えば、平均的な車両の場合、100kWhの充電で266kmの走行距離を追加するには29分の充電時間が必要です。これはガソリン車に給油する3〜5分よりも大幅に長く、業界がこれまで以上に高い充電率を求めている理由となっています。

オンボード充電かオフボード充電か

 充電には、オンボードとオフボードの2種類があります。その定義は、DCへの変換がどこで行われるかに関係しています。オンボード充電器は、壁のコンセントまたは充電ポイントからACを車両に取り込み、オンボード充電器がこれをDCに変換してバッテリーを充電します。逆に、オフボード充電器は、内部でDCに変換した後、車両にDCを供給してバッテリーを直接充電します。

図3:充電はオンボードでもオフボードでも可能[クリックで拡大] 出所:Yole Développementの情報を参考にonsemiが作成

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