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» 2022年05月18日 11時00分 公開

根本原因に対処! 火花を散らす半導体製造装置の高圧電源を修理【後編】Wired, Weird(1/3 ページ)

今回は電源投入の約5秒後にブレーカーから火花が出て電源が落ちる高圧電源の修理の続きだ。

[山平豊(Rimos),EDN Japan]

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 今回は電源投入の約5秒後にブレーカーから火花が出て電源が落ちる高圧電源の修理の続きだ。火花が出る直接の原因は、大容量の電解コンデンサーを充電するホーロー抵抗の断線だった。そして、根本的な原因は電解コンデンサーが充電されていないにもかかわらず、電源投入の5秒後にパワーリレーをオンして低抵抗で電解コンデンサーを充電させていたからだった。この結果、パワーリレーの接点は溶着し、ブレーカーから火花が飛んでいた(前回記事

根本原因を解決するために

 断線した抵抗を交換し、パワーリレーを交換すれば見た目の修理は終わる。だが、その後に抵抗が断線すればまた同様に火花が発生するだろう。こんな危ない機器を顧客へ納入することはできない。根本原因を解消する修理にトライした。

 まずは最も簡単な方法で対策してみた。それは、小型のDC24V電源を使いコンデンサーに充電された直流電源を24V電源に入力し、パワーリレーのコイルに出力の24Vを接続する方法だ。この方法では充電電圧が80V程度まで上がればリレーがオンするので、突入電流を減らすことができる。AC入力にDC電源を入力することに違和感を覚える読者もいると思う。スイッチング電源のAC入力回路は全波整流回路で無極性の電源入力になっていることを思い出せば問題ないことが分かるだろう。使用した小型の24V電源を図1に示す。

図1:使用した小型のDC24V電源[クリックで拡大]

 図1左はDC24V電源の部品面で左側からAC電源を入力し、右側からDC電源を出力している。右はハンダ面の写真だ。この基板は200円程度で中華系サイトから購入できる。

充電抵抗がない状態では問題ないが……

 このDC24V電源を使って突入電流を緩和できるか確認してみた。回路の接続を図2に示す。

図2:小型のDC24V電源を接続した様子[クリックで拡大]

 図2でまずは充電抵抗がない状態で通電した。その結果は当然ながら充電電圧は上がらずパワーリレーが動作しないので火花は飛ばなかった。次に、手持ちの25Ω20Wのセメント抵抗をつないで通電した。通電するとパワーリレーは2秒程度で動作し火花は飛ばなかった。しかし、電源を切っても充電電圧が残っており10秒程度待たないとパワーリレーはオフしなかった。試しに電源を切って5秒後に再通電したら、ブレーカーから小さな火花が飛び、劣化しているパワーリレーの接点が溶着した。

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