この最初の試みでは電源を切って1分ほど待たないと再通電時に小さな火花が飛ぶ危険性が残った。これでは不十分だ。充電電圧が200V程度に上がったことを確認してから、パワーリレーをオンさせる回路が必要だ。試作した回路図を図3に示す。
図3は充電電圧を抵抗で分割し、シャントレギュレーターで充電電圧を監視する。目標の電圧まで上がったら出力のトランジスタをオンさせて、パワーリレーを動作させる回路だ。この回路は計算上DC200Vでパワーリレーがオンするので、大きな突入電源はほとんど発生しないはずだ。試作した基板を図4に示す。
図4左は部品面、右はハンダ面だ。部品面の左の端子台に充電電圧を接続して、右の端子台からパワーリレーのコイルに接続すればよい。基板のサイズは35×90mm程度なので装置の空いたスペースに実装できた。この基板と手配した35Ω、30Wのホーロー抵抗を接続して動作確認した。回路の接続を図5に示す。
図5左のホーロー抵抗は大きめの35Ω、30Wでパワーリレーに仮接続して動作を確認した。三相電源のAC200Vを通電すると3秒程度でパワーリレーが動作し、火花は飛ばなかった。電源を切ってすぐにブレーカーをオンしたが火花は飛ばなかった。
電源を切って放置すると約10秒後にパワーリレーがオフした。その直後に、ブレーカーをオンしたが火花は飛ばなかった。この操作で大きな突入電流が防止されていることが確認できた。図5右は電圧監視基板をトランスの下に実装したもの。これが最終的に修理を終えて納品したかたちだ。
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