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渦電流の影響を抑制、NFCアンテナ向け磁性シートTDK IFQ06

TDKは、NFCアンテナ向けの磁性シート「IFQ06」を開発、量産を開始した。透磁率が高く、磁気損失が低いため、NFCアンテナコイルの背面に配置することで通信特性が向上し、周囲の金属がもたらす渦電流などの悪影響を効果的に抑える。

» 2023年06月02日 09時00分 公開
[EDN Japan]

 TDKは2023年5月、NFC(近距離無線通信)アンテナ向けの磁性シート「IFQ06」を発表した。同月より量産を開始している。

NFCアンテナ向け磁性シート「IFQ06」 NFCアンテナ向け磁性シート「IFQ06」 出所:TDK

 IFQ06は、磁気損失(μ")が最大で2と低く、透磁率(μ')が56と高い。このためQ値も向上していて、13.56MHzで28となった。また、表面抵抗率が10MΩ超と高く、金属製のアンテナに直接接触させることができる。

 同シートをNFCアンテナコイルの背面に配置することで、通信特性が向上する。また、アンテナ周囲の金属がもたらす渦電流などの悪影響を効果的に抑え、通信性能の低下を防ぐ。

要望に応じたサイズ、形状に成形可能

 柔軟性に優れていて、サイズや形状を要望に合わせて成形できる。厚さは0.05mm、0.1mm、0.2mmから選択できるほか、要望があれば0.065mm、0.075mmにも対応する。

 形状は、ロール材やシート材、カスタムカットを用意。オプションで、最高125℃まで対応可能な高温用樹脂「IFQ06S」も用意している。

 まず国内にて、300×200mmサイズのシートを月産10万枚規模で生産する。同サイズのサンプル品は、1枚683円(税別)で提供する。サンプル品は磁性層の厚みが0.05mm、両面テープの厚みが0.01mmとなっている。

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