RTC機能は、マイコンの電源が入っている限り止まりません。マイコンにリセットがかかっても、時刻、日付はリセットされません。マイコンのリセットでRTCもリセットがかかっていると時計機能を果たせないため、電源が切れるまでは動き続けます。RTCのリセットは、日時、日付の設定で行います。
図4に「STM32F4シリーズ」に搭載されているRTCのブロック図を示します。
タンパ(Tamper)*5)とは、クラッカー(悪意を持ったハッカー)が電気製品を改造/改ざんしようとすることで、この時、マイコンがそれを検知し、改造/改ざんに対抗する緊急的な処理を行うことを「タンパ検知」や「耐タンパ」と呼びます。また、こうした処理を自動的に行うハードウェアを「タンパ検知機能」や「耐タンパ機能」と呼びます。
これは、マイコンがリセットされても動作を続けるRTCの特徴を生かしたものです。クラッカーがいつ攻撃してくるかは分からないため、常に動作を続けているRTCモジュールの中にタンパ機能を搭載します。マイコンがリセット中でもクラッカーの攻撃はRTC内に記録され、マイコンが再起動したときに対応処理を実行します。
STM32F4シリーズでも、タンパ機能がRTCに内蔵されています。
*5):Q&Aで学ぶマイコン講座(43):「タンパ検知」「耐タンパ」とは?
ある事象が発生した日時を記録する機能です。電子ファイルの存在証明や改ざん防止に使われます。
時計カウント用のクロック源を選択します。STM32F4シリーズでは、32.768kHz以外にもHSE/32とLSIから選択できます。
水晶振動子の周波数誤差はppmレベルで非常に小さいものの、0ではありません。そこで、クロック源の周波数を調整して、より高精度の周波数に較正します。
クロックを分周します。32.768kHzの場合、32768分周すれば1秒になりますが、0.5秒や0.25秒を作りたい時に、分周比を変えることができます。
ここが図2で説明した部分です。
時計機能のカウンターのクロックを外部に出力できます。このクロックの精度を測定すると時計機能の精度が測れます。また、外部装置との同期用クロックとしても使えます。
一定周期の割り込みを発生させます。
ここが図3で説明したアラーム機能です。STM32F4シリーズでは、2種類の時刻(アラームA/アラームB)を設定可能です。
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