100mWの高出力DFBレーザーダイオードチップ:古河電気工業 DFB LDチップ
古河電気工業は、100mWの高出力DFBレーザーダイオードチップの量産を開始する。チップ温度75℃時の電力変換効率は、同社従来品の16%から22%に向上した。
古河電気工業は2023年9月、100mWの高出力DFB(分布帰還型)レーザーダイオード(LD)チップを量産化すると発表した。電力変換効率は、同社従来品の16%から22%に向上している。量産開始は2024年1月から。
DFBレーザーダイオードチップ 出所:古河電気工業
同社のInP(インジウムリン)半導体チップ技術を用いて開発したもので、100mWの高い光出力を可能にした。チップ温度75℃時の電力変換効率は22%で、800Gビット/秒超の大容量通信に対応する光トランシーバーへの適用やデータセンターのエネルギー消費量の削減に寄与する。
駆動電流−光出力比較(チップ温度75℃) 出所:古河電気工業
電力変換効率比較(チップ温度75℃) 出所:古河電気工業
動作温度範囲は−5〜+75℃、ピーク波長は1271、1291、1311、1331nm、サイドモード抑圧比は最小35dB。ビーム広がり角は、垂直方向が22度、水平方向が18度だ。
同社は、2022年9月に100mWのDFB LDチップの自社開発を発表していて、今回の量産開始に至った。
- スキャナー用途など、青色/緑色レーザーの新世代品
ams OSRAMは、新たなレーザーダイオードエミッターチップを採用した青色および緑色レーザー「PLT3 450GB」「PLT5 450GB」を発表した。前世代品と比べてビーム品質が改善している。需要が高まる緑色レーザースキャナーなどの用途に適する。
- 医療分野向け、波長514nmのレーザーダイオード
ams OSRAMは、波長514nmの汎用緑色レーザーダイオード「PLT5 522FA_P-M12」を発表した。研究や診断など、ライフサイエンス分野に適する。小型、低コスト、長寿命で、アルゴンイオンレーザーからの置き換えが可能だ。
- 産業用途向け緑色レーザーダイオード
ams OSRAMは、緑色レーザーダイオード「PLT5 522EA_Q」を発表した。赤色レーザーより視認性に優れ、バーンインが不要。従来の赤色レーザーから容易に置き換えられる。スキャンやレベリング、ドットプロジェクションといった用途に適する。
- 広動作温度範囲のレーザーダイオードチップ
三菱電機は、5〜85℃で動作可能な100Gビット/秒の光トランシーバー向けレーザーダイオードチップ「ML7CP70」を開発した。2021年11月1日からサンプル提供を開始する。
- LiDAR用75W高出力半導体レーザーダイオード
ロームは、LiDAR用75W高出力半導体レーザーダイオード「RLD90QZW3」を開発した。225μmの狭発光幅と21%の電力光変換効率を備え、AGVやロボットに搭載するLiDARの長距離対応と高精度化に貢献する。
- 車載LiDAR用パルスレーザーダイオード
浜松ホトニクスは、車載LiDAR用「4チャンネルパルスレーザーダイオード」の開発に成功した。放熱性に優れたセラミックパッケージを採用し、105℃までの高温環境下でも安定した光出力を発振する。
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