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修理途中で投げ出された電源ユニットを修理(前編)Wired, Weird(1/2 ページ)

知人の会社から事前連絡もなく、荷物が届いた。その荷物は、修理を途中で諦めたと思われる電源ユニットだった。

» 2024年02月27日 11時00分 公開

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 知人の会社から事前連絡もなく、荷物が届いた。梱包を開けると生産中止のPLC電源が入っていて、私に修理してほしいとのことだった。今回は突然に送られた電源の修理を報告する。不具合の情報はない。電源のケースを開けて基板を確認すると、2枚の基板で構成されていた。2枚の基板を図1に示す。

図1:取り出した2枚の基板[クリックで拡大]

 図1の①は電源の入力基板で、②は2次電源の出力基板だ。③と④は基板それぞれのハンダ面だ。回路の流れを確認すると、①の入力基板の端子台にAC電源を接続し、右下のフィルターを通して左中央のダイオードブリッジで整流して、並列に接続された2つの電解コンデンサーに充電して整流電圧が生成されていた。②の出力基板のトランスを6本の白色配線で接続し、スイッチングして、二次電圧を整流して出力する回路のようだ。

トランジスタも見当たらない……

 電源の制御ICが見当たらないのでRCC電源回路だろう。しかし基板上にはトランスのスイッチングトランジスタが見当たらない。また、整流部とトランスは別基板になっており、往復で20㎝ほどの配線で接続されている。この構造では200kHz程度でスイッチングしたら、かなりのノイズを巻き散らすだろう。これはスイッチング電源としては、最悪の構造だった。基板上のトランジスタを探すと、①の入力基板の上側に7個の穴が見つかった。ここに実装されていた部品が外されていると思われた。拡大写真を図2に示す。

図2:トランジスタが実装されていたとみられる部分[クリックで拡大]

 図2左は部品面で、図2右はハンダ面だ。左の上中央には7個のスルーホールが見える。シルクには『M21』の文字が見えた。右のハンダ面では多くの部品が交換された跡があり、部品のリードの残留物まであった。7個の穴の位置にスイッチングトランジスタが実装されていたようだ。おそらくこの基板は修理途中で作業を諦めて送られてきた基板だろう。

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