旭化成エレクトロニクスは、自動車向け電流センサー「CZ39」シリーズの量産を開始した。化合物ホール素子を用いていて、高速での応答が可能だ。SiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)パワーデバイスのスイッチング周波数を向上する。
旭化成エレクトロニクスは2024年2月、自動車向け電流センサー「CZ39」シリーズの量産を開始したと発表した。EV(電気自動車)向けの充電器やDC-DCコンバーター、電子ヒューズといった用途に適する。
同シリーズは、化合物ホール素子を用いていて、100ナノ秒と高速での応答が可能だ。SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)などを使用した充電器やDC-DCコンバーターに搭載することでスイッチング周波数が向上するため、基板サイズが小さい回路を作成できる。
また、過電流保護にも対応し、自動車のパワーコンバージョンシステムに安全な電子ヒューズ回路を導入できる。
同社が独自に開発したパッケージを用いていて、一次導体抵抗を0.3mΩに抑えた。125℃の環境下で40Arms連続通電した場合も、発熱を抑制するため、熱設計を簡素化できる。
また、空間距離および沿面距離を十分に確保した耐圧構造を採用した。650V超の耐圧用途でも使用できる。
SiCやGaNを用いたパワーデバイスを使用する際は、高速かつ高電圧のスイッチングによるノイズ環境の悪化が課題となる。同シリーズでは、ノイズによるセンサー特性の阻害が起こりにくく、ノイズの影響を受けずに電流を検出できる。
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