マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初心者の方からよく質問される「デジタル回路とアナログ回路の違い」についてです。
素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。
今回は、初心者から多く寄せられる質問です。
マイコンのデジタル回路とアナログ回路とは何でしょうか? また、この2つは、どのように異なるのでしょうか?
デジタル回路とアナログ回路の内部構成と仕組みについて教えてください。
デジタルは段階的な数値で、アナログとは連続的な数値です。
マイコンの場合、電圧の有無で「1」「0」または「真」「偽」の2段階に定義して、算術演算や論理演算を行う回路がデジタル回路です。一方、連続的な電圧をそのまま扱う回路をアナログ回路と呼びます。
具体的にはCPU、タイマー、通信モジュールなどはデジタル回路で、A-Dコンバーター、D-Aコンバーター、発振回路、温度センサー、内蔵基準電圧などがアナログ回路です。
図1に、デジタル回路とアナログ回路の例を示します。
図1(a)のデジタル回路の例はnビットの加算器*1)です。電源電圧を「1」、グランド電圧を「0」と定義して二進数の演算を行います。中間電位は取り扱われません。
図1(b)のアナログ回路は、A-Dコンバーターの入力部*2)です。測定される電圧(被測定電圧)から比較器までと、D-Aコンバーターで生成される比較用電圧は、グランドレベル0Vからアナログ参照電圧Vrefまでの中間電圧です。この2つの信号を比較して、「1」「0」のデジタルに変換します。
(*1)マイコン入門!! 必携用語集(6)「CPUの中枢「ALU」を作ってみよう」
(*2)Q&Aで学ぶマイコン講座(12)サンプル&ホールド型A-Dコンバーターのサンプリング時間はどうやって決めるの?
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