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マイクロプロセッサを使用したシステム、回路設計時に重要なポイントはマイクロプロセッサQ&Aハンドブック(3)(4/7 ページ)

» 2024年06月11日 10時00分 公開
[小谷豊(STマイクロエレクトロニクス)STマイクロエレクトロニクス]

2.電源回路構成の検討(メーカー推奨のパワーマネジメントICもしくはディスクリート構成)

 電源回路の設計にあたっては、電源立ち上げ順序を守るため、半導体メーカー推奨の電源管理ICを使用するか、イネーブル端子付きのDC-DCコンバーターICやレギュレーターICを使用してディスクリートでの電源回路を構成します。

 図4図5に、それぞれ半導体メーカー推奨の電源管理ICを使用した電源回路の例およびディスクリートでの電源回路の例を示します。

電源管理ICを使用した電源回路の例ディスクリートでの電源回路の例 左=図4:電源管理ICを使用した電源回路の例/右=図5:ディスクリートでの電源回路の例[クリックで拡大]

3.電源供給能力の確認

 電源回路構成を検討した後は、動作条件を仮に決め、特に消費電流の大きいVDD_CPU、VDD_COREについて、電源の供給能力が十分であることを確認します。VDD_CPU、VDD_CORE、VDDの消費電流であるIDDCPU、IDDCORE、IDDはデータシートから確認できます。STM32MP135Fシリーズの場合、データシート「DS13483」※3)の6.3.6章 “Supply current characteristics”内、”Table 20. Current consumption(IDDCORE)in Run mode”および“Table 21. Current consumption(IDDCPU)in Run mode”に記載されています。

 電源の供給能力が十分なことを確認するための消費電流の条件は、使用環境を考慮し、消費電流が最大となるケースを選定します。例として、下記の動作条件で検討してみます(表2

No 項目
1 ジャンクション温度 105℃
2 CPU周波数 1000MHz
3 AXIバス周波数 266MHz
4 VDD_CPU電圧 1.37V
5 VDD_CORE電圧 1.29V
表2:電源回路供給能力検討時の動作条件例

 データシートから、表2の条件の場合、表3の最大電流を供給可能な電源回路が必要なことが分かります。

No 項目
1 IDDCPU最大電流 188mA
2 IDDCORE最大電流 267mA
表2:.電源回路に必要な供給能力の例

 DDRメモリもマイクロプロセッサと同様に消費電力が大きいため、DDRメモリの消費電力はDDRメモリメーカーが提供するデータシート、アプリケーションノート、消費電力カリキュレーターなどによる確認が重要です。

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