前回に引き続き、リモートで友人の修理サポートした様子を報告する。今回、遠隔サポートしたのは、前回とは別の温調装置の修理だ。
今回は前回に引き続き、リモートで友人の修理サポートした様子を報告する。今回、遠隔サポートしたのは、前回とは別の温調装置の修理だ。友人から相談された温調装置の不具合状況は次の通りだ。
(温調装置に搭載される)温調ユニットを取り出し電源とセンサーを接続して、パネルで温度表示や温度の設定を変えてヒーターとクーリングの動作を確認したら正常に動作する。しかし、温調装置に搭載したらヒューズが切れた。また、交換したSSR(ソリッドステート・リレー)が動作しなくなった。
ということらしい。友人により詳しく状況を確認したところ、「温調ユニットの修理前にヒューズが切れていた」ということだった。なぜ、そんな重要なことを先に教えてくれなかったのか。どうやら友人は不具合解決の優先順位をまだ理解していないようだ。壊れたSSRの動作を試験している写真が送られてきた。図1に示す。
図1はSSRの入力に直流電圧を印加し、SSRの出力が動作するかを試験している写真だ。この写真を見てびっくりした。読者は既に気づいたと思う。それは、SSRのデータシートを全く見ずに試験していることだった。SSRのデータシートの一部を図2に示す。
図2はSSR「G3FM」のデータシートの一部だが、重要な点が2つある。1つは入力使用電圧がDC4〜6Vとなっている点。もう1つは負荷電流で、1mAから500mAの小電力用のSSRだという点だ。
図1のように、試験電圧は3.1Vになっていて、SSRの正常な動作を保証されていない入力電圧だ。またこのSSRの負荷で2Aのヒューズが切れたということも大きな問題だった。部品のデータシートをしっかり読む習慣がつかない限り、修理の上達は望めないだろう。
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