図4の下2つのバルブの合成インピーダンスも計算してもらった。図5に示す。
図5でSSRに流れる3個のバルブの電流はAC200Vで最大電流の0.5Aを超えていた。やはり3個のバルブは全て劣化していた。この結果を受けて、温調装置の不良バルブが搭載されたユニットは最新のものに交換することになった。
結果的には温調ユニットのヒューズが切れる原因が明確になった。しかし温調ユニットの修理を行う前に、温調装置の故障原因を調べて最優先の問題を解決しておけば、安心して温調ユニットの修理ができる。友人はまだ一人での基板修理は難しい状況だった。
温調装置の新しいユニットを入手したらバルブのインピーダンスを調べ、SSRの最大0.5Aの駆動能力で余裕をもって駆動できるかどうかを確認するように連絡した。
今回はリモートでの対応で温調装置の修理が完了できるかトライしてみた。しかし、友人はまだ電子部品が十分には理解できておらず、またデータシートも把握していないことが分かった。修理サポートを終了するには、まだ時間がかかりそうだ。
リモートで修理を完了させるためには、不具合解明の優先順位をつけ、部品のデータシートをしっかり読んで特性を把握させ、現物をテスターなどで測定する習慣をつけることが重要だと分かった。筆者は今後も現場の技術者向けにリモート修理サポートの仕組みを作り上げていくつもりだ。
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