ザインエレクトロニクスは、ディスプレイ用情報伝送規格MIPI DSIに対応した情報伝送用半導体「THCV353-Q」の量産を開始した。画像データと音声データを同一伝送路で伝送できるなど、簡素なシステム構成を可能にする。
ザインエレクトロニクスは2024年9月、ディスプレイ用情報伝送規格MIPI DSIに対応した情報伝送用半導体「THCV353-Q」の量産を開始した。送信用半導体のため、同社の受信用半導体「THCV334-Q」とセットで利用できる。急速に普及が進んでいるMIPI DSIに対応することでマルチディスプレイのユースケース拡大に貢献するという。
THCV353-Qは、画像データを分割伝送するだけでなく、音声データも同一伝送路で伝送できるため、簡素なシステム構成が可能になる。
同製品は、汎用入出力信号伝送のためのGPIO信号を高速で伝送できる。GPIOの利便性と設計自由度が高く、タッチパネルの制御信号やシステムLSIへの割り込み信号の応答速度が速い、液晶ディスプレイのバックライトコントロールの設計が容易といった利点がある。
精密な動作が要求される機器においては、光伝送モードを適用して画像データを光ファイバーで伝送し、電波干渉を避けることができる。
主な用途として、車載および産業機器のマルチディスプレイを想定する。例えば、左右サイドミラーに設置したカメラの映像を、車の左右ウィンドウ部分のディスプレイに映し出すシステムなどを容易に構築できる。
動作温度範囲は−40〜+105℃。パッケージは9×9mmのQFN64。AEC-Q100 Grade2に対応する。
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