東芝デバイス&ストレージは、650V耐圧の第3世代SiC MOSFETを搭載した4製品を発表した。小型面実装パッケージのDFN8×8を採用し、従来のリード挿入型と比べて体積を90%以上削減。機器の電力密度の向上に貢献する。
東芝デバイス&ストレージは2025年5月、650V耐圧の第3世代SiC(炭化ケイ素)MOSFETを搭載した4製品「TW031V65C」「TW054V65C」「TW092V65C」「TW123V65C」を発表した。既に量産出荷を開始している。
4製品は、同社初という小型面実装パッケージのDFN8×8(8.0×8.0×0.85mm)を採用した。従来のリード挿入型パッケージのTO-247、TO-247-4L(X)と比較して、体積が90%以上小型化していて、機器の電力密度を向上する。面実装によって、リード挿入型に比べて抵抗やインダクタンスなど寄生インピーダンス成分が小さくなるため、スイッチング損失も低減できる。
4端子タイプのため、ゲートドライブ用の信号ソース端子をケルビン接続することで、パッケージ内部にあるソースワイヤのインダクタンスがもたらすスイッチングへの影響を小さくし、高速スイッチング性能を発揮する。
例えばTW054V65Cは、同社の既存製品と比べてターンオン損失を約55%、ターンオフ損失を約25%低減できるため、機器の電力損失低減に貢献する。
仕様は(TW054V65Cの場合)、ドレイン-ソース間電圧が650V、ゲート-ソース間電圧が+25V/−10V、ドレイン電流が36A、許容損失が132Wとなっている。ゲート閾値電圧は最大5.0V、最小3.0V、ドレイン-ソース間のオン抵抗54mΩ、入力容量は1362pF、ゲート入力電荷量は41nCだ。
主な用途として、データセンターのサーバや通信機器などのスイッチング電源、電気自動車(EV)充電スタンド、太陽光発電用インバーター、無停電電源装置などを見込む。
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