ルネサス エレクトロニクスは、HMIシステム向けの64ビットMPU「RZ/G3E」の量産および販売を開始した。AI処理やエッジコンピューティングに対応していて、フルHD解像度のHMI機能も備える。
ルネサス エレクトロニクスは2025年7月、HMI(ヒューマンマシンインタフェース)システム向けの64ビットMPU「RZ/G3E」の量産および販売を開始したと発表した。AI処理やエッジコンピューティングに対応していて、フルHD解像度のHMI機能も備える。
同製品は、最大1.8GHz動作のArm Cortex-A55を4コアと、リアルタイム処理向けのCortex-M33を1コア搭載。また、AI処理専用のNPU「Arm Ethos-U55」を内蔵していて、CPU負荷を抑えた状態での画像分類や音声認識、異常検知などが可能だ。
60fpsのフルHD表示に対応した2画面出力が可能で、ディスプレイ出力は、LVDS、MIPI-DSI、パラレルRGBの3方式に対応。MIPI-CSIカメラインタフェースも備えていて、センシング用途にも活用できる。
通信面では、PCI Express 3.0(最大8Gビット/秒)、USB 3.2 Gen2(10Gビット/秒)、ギガビットイーサネット2基などを搭載。クラウド連携や5Gモジュールとの接続にも対応する。さらに、待機時の消費電力を1mWクラスに抑える電源制御機能やDDRセルフリフレッシュ機能を備えた。
ソフトウェアは、「Civil Infrastructure Platform Linux」ベースの「Verified Linux Package」(VLP)を標準提供。10年以上の長期メンテナンスサポートに対応している。Linux BSP PlusやUbuntu、Debianなども利用可能だ。
パッケージは、15mm角の529ピンFCBGAと21mm角の625ピンFCBGAを選択できる。動作温度範囲は−40〜+125℃。医療用モニターや製造装置、ビルオートメーション機器などでのHMI用途に適する。
同社は、同製品を用いたフルHDデュアルディスプレイHMIプラットフォームやデジタル耳内視鏡などのリファレンスソリューションを公開している。さらに、TriaやARIES Embeddedといったパートナー企業からも、SMARCやOSM準拠モジュールの提供が予定されている。
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