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LCD消費電流30%減、 ルネサスのスマート家電向け新マイコン超低消費電力モード搭載

ルネサス エレクトロニクスは、超低消費電力モードを搭載する16ビットマイコン「RL78/L23」グループを発売。最大32MHz動作で、セグメントLCD表示と静電容量式タッチセンシング機能を搭載する。

» 2025年09月11日 09時00分 公開
[EDN Japan]

 ルネサス エレクトロニクスは2025年8月、超低消費電力モードを搭載する16ビットマイコン「RL78/L23」グループを発売し、量産を開始した。最大32MHz動作で、セグメントLCD表示と静電容量式タッチセンシング機能を搭載。デュアルバンクフラッシュメモリを採用し、OTA(Over the Air)によるファームウェアのアップデートに対応する。

スマート家電やIoT機器、ヘルスケア機器などの用途を想定 スマート家電やIoT機器、ヘルスケア機器などの用途を想定 出所:ルネサス エレクトロニクス

 RL78/L23は、動作電流を109μA/MHz、スタンバイ電流を0.365μAにまで低減。ウェイクアップ時間は1マイクロ秒で、CPUの動作時間を最小化する。LCDコントローラーにVL4レファレンスモードを追加し、LCD動作電流を従来比で約30%削減した。スヌーズモードシーケンサー(SMS)を搭載し、CPU非動作のままLCDセグメント表示が可能。CPUの動作回数を減らし、システム全体での省電力化を図った。

HMI向けにセグメントLCDコントローラーと静電容量式タッチ機能を搭載

 ヒューマンマシンインタフェース(HMI)向けにセグメントLCDコントローラーと静電容量式タッチ機能を搭載したことで、IH調理器や空調システムなどのユーザーインタフェースを改善し、即応性を向上できる。内蔵のIHタイマーは、最大3チャンネルの高精度マルチチャンネル加熱制御に対応する。

 フラッシュメモリは最大512Kバイト、SRAMは最大32Kバイト、データフラッシュは最大8Kバイト。フラッシュメモリはデュアルバンク構成になっていて、FOTA(Firmware Over the Air)により一方のファームウェアをアップデート中でも、もう一方でプログラムを実行可能。システム稼働を維持し、ダウンタイムを抑えながら更新できる。

 動作温度範囲は−40〜+105℃で、±1.0%と高精度の高速オンチップオシレーターを搭載。動作電圧範囲は1.6〜5.5V。一般的な5V電源で直接駆動でき、外付けの電圧レギュレーターは不要だ。UART、I2C、CSIなどのシリアルインタフェースに対応し、IEC60730準拠のセルフテストライブラリを提供する。

 パッケージは、44〜100ピンのLFQFP、LQFP、HWQFNをそろえた。開発は、Smart ConfiguratorやQE for Capacitive Touchなどの開発支援ツールに対応する。Arduino IDEに対応したRL78/L23 Fast Prototyping Board「FPB-RL78L23」や、評価と検証に使える静電容量式タッチ評価システム「RSSK-RL78L23」も提供する。

「RL78/L23」外観 「RL78/L23」外観 出所:ルネサス エレクトロニクス

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