48V補機バッテリー対応の高耐圧LDO、エイブリック：オープンループ保護回路を搭載

エイブリックは、48V補機バッテリーに対応する、車載用高耐圧LDOリニアレギュレーターIC「S-19230」「S-19231」シリーズを発売した。動作時消費電流は2.0μAで、システムの暗電流に寄与する。

[EDN Japan]

　エイブリックは2025年9月、48V補機バッテリーに対応する、車載用高耐圧LDOリニアレギュレーターIC「S-19230」「S-19231」シリーズの発売を発表した。動作時消費電流は2.0μAで、システムの暗電流に寄与する。

48V補機バッテリー対応の車載用高耐圧LDOリニアレギュレーター 出所：エイブリック

48V、24V、12V補機バッテリー適用可能

　両シリーズとも入力電圧耐圧が80Vで、出力電流10mA以下では最低動作電圧3.0Vのため、48Vに加えて24V、12Vの補機バッテリーにも適用できる。常時動作のセンサーやCAN、LINトランシーバーの電源供給で2.0μAの低消費を達成したことで、イグニッションがオフの状態でも流れる暗電流を削減できる。

　オープンループ保護回路を搭載。外部抵抗で出力電圧を設定する場合に配線が断線しても、異常を検出して出力上昇を一定レベルに抑制する。これにより過電圧対策の外付け部品を省け、コストと実装スペースを縮小できる。

　低温、常温、高温の三温度試験を実施していて、車載電子部品の評価試験AEC-Q100に対応予定だ。生産部品承認プロセスのPPAPにも対応する。過酷環境下での使用を想定し、車載電源の信頼性向上に向けた選択肢を拡げる。

　出力電圧は、内部設定が1.8、3.0、3.3、5.0Vで、外部設定が1.8〜12.0V。出力電流は、S-19230が100mA、S-19231が200mAだ。パッケージは、TO-252-5S（A）、HSOP-8A、HTMSOP-8で提供。−40〜＋125℃の温度範囲で動作する。

　各種ECUやインフォテインメントなどの電装化により消費電力が増え、補機バッテリーは48V化が進む。電圧を高めて電流を抑えることでワイヤーハーネスの細径化と軽量化に繋がる。