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反転形DC/DCコンバーターの設計(7)チョーク電流不連続時のリップル電圧計算たった2つの式で始めるDC/DCコンバーターの設計(21)(3/4 ページ)

» 2025年09月30日 11時00分 公開

計算例

 周辺定数として前回の連続モードの出力特性で使用した定数を再掲します。この条件でのリップル電圧および、関連した値を求めていきます。なおこの定数の場合、13式の1項×2項の値はほぼ1になります。

     Vcc=10V    f=100kHz   C1=100μF
     ton=3.33μs   δ=0.333   L=55.6μH

図2 図2:シミュレーション結果

計算例1 抵抗値から決める場合(RL=36Ω)

 最初に出力電圧Voを求めます。RLが決まっている場合のVoは12式のβを使って計算します。
 f=100kHz、ton=3.33μsなので

式13B

です。

 このβから出力電圧VoはVo=Vcc√β=6.0V (Io=0.167A)と求まります。
 δ211式(電圧・時間積)の関係からδ2=(Vcc/Vo)δでありVcc=10V、Vo=6V、
δ=0.333を代入するとδ2は δ2=10/6×0.333=0.556となります。

 これらの値を10式に代入するとリップル電圧ΔVrは

式13C

 ILP=Vcc/L×ton=10/55.5×3.33/10=0.6ApですからキャパシターC1の充電期間tcは

式13D

となります。これらの値は図2のシミュレーション波形から得られた8.73mVPPおよび、4.00μsと良好な一致を見せています。

計算例2 負荷電流から決める場合(Io=0.2A)

 13式に臨界負荷電流Io=0.2Aを代入します。設定した定数例では13式の1項×2項の値はほぼ1ですから Vo=1/0.2=5V、RL=5/0.2=25Ωと決まります。
 したがってδ2=10/5×0.333=0.6667です。これらの値を、リップル電圧ΔVrを求める10式に代入します。

式13E

 リップル電圧ΔVrは8.9mVppとなります。この値は前回のMode IIのリップル電圧と同じです。

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