平滑キャパシターC1がチョークL1から充電される期間は図1から分かるように、toff’期間内でチョーク電流が出力電流Ioを上回っているtcの期間内(図1水色領域)のみです。tc以後の期間はチョークから電流が供給されてもキャパシターC1の放電を緩和するのみで充電には至りません。
一方、出力電流Ioはtoff’時間(δ2×ts)中にチョークから放出される電流の1周期平均ですから式で表せば4式になります。
注)チョーク電流ILはキャパシターC1を充電するとともにIoの供給源として働きます。ですから4式はキャパシター充電電流の平均値ではありません。
そしてこのキャパシター充電電流はチョーク電流からIoを引いたものですからキャパシター充電電流のピーク値はILP−Io(=ΔIP)となり、このΔIPを4式とILPを使って表すと5式になります。
チョーク電流ILとキャパシター充電電流の各波形は相似の三角形なのでtcは6式の比例則を使って求めることができます。
充電電荷Qは図1の水色の三角形の面積(底辺×高さ÷2)であり6式のtcを使って次の7式で電荷Qを計算します。
さらに、7式のΔIpに5式の結果を代入して整理すると8式を得ます。
8式のILPはLの基本式や前述の3式から
です。このILPを8式に代入して整理すると9式を得ます。
Cの基本式からリップル電圧ΔVrはキャパシターC1の電荷変動ΔQと容量Cの比ですからリップル電圧ΔVrは10式で求められます。
10式のδ2は1式から次のように導かれるVcc・δ=Vo・δ2の関係(電圧時間積)を使って求めます。
なお10式の計算には出力電圧Voが入っているので計算に先立って12式を使ってVoを求めておく必要があります。この12式の導出については連載第18回 「反転形DC/DCコンバーターの設計(4)不連続モードの振る舞い」で説明しましたので詳しくはそちらを参照してください。
12式を展開すると13式に示すIo-Voの関係式を得ることができます。
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